１０：複雑なテンション。 ページ10
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｢ねっ、て言われましても･･･。｣
｢君も一緒にここに居なよ。｣
｢え？｣
｢ほら、怪我してるんだし少し安静にした方がいいんじゃない？｣
優しい提案だけど、要は一緒にサボろうってことなのかな。
｢すぐに冷やしたおかげで
あんまり腫れないで済むと思うよ。
体育の授業中だったのかな？
ここに、学年とクラスと名前書いてもらってもいい？｣
平野先輩の提案は、呆気なくスルーされ
来室記録への記入を促される。
｢へ〜Aちゃんっていうんだ。
俺は平野紫耀。珍しい漢字なんだけど、｣
｢あ、えっと･･･もしかしてコレですか？｣
名前を書いた来室記録のリストを覗き込んでいた先輩は
私に名前と、漢字を教えてくれようとしたけど
私がさっき書いた名前の上に、
大きな字で先輩の名前らしきものが書かれている。
｢そう。それが俺の名前。よく分かったね｣
普通にこの流れだったらそうかなって思ったんだけど
何故かすげーじゃん！って目で見られるから反応に困る。
｢平野くんはいい加減教室に戻りなさい。
中野さんは、残りの時間は一応見学にしてもらってね？｣
いつまでもこの場に居座ろうとしてる平野先輩を
何とか追い出そうと必死に廊下まで引きずっていく。
ほんわかした先生だと思ってたけど
意外と体育会系なのかな･････？
意地でも戻んない！って態度だったけど
途中で諦めがついたのか、
｢またね、Aちゃん！｣
と、手をヒラヒラさせながら保健室を後にした先輩。
最後に呼ばれた名前に、特別な響きを感じながらも
次が数学の授業ってことを思い出して
複雑なテンションで体育館に戻った。
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｢大丈夫だった？｣
｢うん、全然大丈夫なんだけどさ｣
｢うん？｣
体育館に戻ってすぐ、私の元へ駆け寄ってくれた結衣に心配される。
正直、額に当ててる保冷剤が冷たいかどうかも分からないくらい
頭の中はさっきの平野先輩の事でいっぱいだった。
｢少女漫画の世界かと思った。｣
｢･････えっ？なんの話？｣
ほぼ独り言だったけど、
しっかり拾ってくれた結衣にはなんて説明したらいいのかな。
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くちゃん - はじめまして。ひよりさんの作品めちゃくちゃおもしろくてだいすきですт т ❤︎こよりさんのほうのパスワードは教えていない感じですか？(ㅠ︿ㅠ)とても読みたいです、、 (10月12日 1時) (
レス) id: 248356e3db (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - え！好き！好きです！あのなんて言うんでしょう、…可愛い！！作品自体がなんかもう可愛い！夢主ちゃんの性格好きだし、そしてなにより永瀬様と平野様がかっこいい…！（様付けキモくてすみません）応援してます！！ (2022年12月30日 22時) (レス) @page26 id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひより
| 作成日時：2022年6月4日 16時
