３６：口にした想い。 ページ36
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｢でも、流石に･･･。｣
家に行くのは緊張するしこのメンバーってなると
空気感が地獄。
何せ廉が勝手に先輩のこと悪く思ってるんだもん。
廉も偏見なんて捨てて先輩と普通に話してみたら
先輩がいい人だってことはわかってくれると思うけど
警戒心強くて人見知りだから、すぐには無理かな。
｢先輩の家って近くなんですか？｣
先輩のお誘いを断ろうとした私よりも先に
結衣が食い気味に口を開いた。
｢ここから3駅先だよ。｣
｢へぇ〜どっち方面なんですか？｣
｢んーっとね、Aちゃんが乗る電車と反対になるかな。｣
心做しか、結衣の目がキラキラと輝いてるように見える。
それはまるで、気に入った服を見つけたような。そんな感じ。
｢反対やと帰る時面倒っすよね〜｣
｢あー、そっか。そうだよね。｣
先輩の言葉にようやく反応を示した廉は
余所行きの顔を浮かべている。
唇を窄めながらシュンとしちゃった先輩には申し訳ないけど
これ以上廉の機嫌が悪くなる前に2人を遠ざけなきゃ･･･。
この状況を乗り切る方法を頭の中で探していたら
｢あの、｣
もう私達しか残っていなかった教室に
ひとり、遠慮気味に入ってきた女の子。
その顔には見覚えがあって。
昼休みに、廉にカフェオレと手紙を渡して欲しいって
私に頼んできた子だとすぐに気づいた。
黒髪ボブで膝丈スカートの清楚な女の子。
きっと勇気を振り絞ってこの場に入ってきたんだろう。
それが伝わる、震えた声と廉を見つめる不安げな瞳。
そんな彼女の様子を見て応援したくなるのは
彼女の相手が廉じゃなかったら、の話。
さっき私が断ったから、こうして自分の足で
廉に気持ちを伝えに来たんだろう。
関係性が壊れるのが怖くて
ずっと言い訳してばかりの私とはまるで違う。
ずっと傍にいながらも
自分の気持ちを隠し続けてる幼馴染の私なんかよりも、
よっぽど素敵だなって思っちゃったよ。
例えその気持ちが、廉には受け取ってもらえなくても
彼女が口にした想いは廉の耳に届くんだから。
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くちゃん - はじめまして。ひよりさんの作品めちゃくちゃおもしろくてだいすきですт т ❤︎こよりさんのほうのパスワードは教えていない感じですか？(ㅠ︿ㅠ)とても読みたいです、、 (10月12日 1時) (
レス) id: 248356e3db (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - え！好き！好きです！あのなんて言うんでしょう、…可愛い！！作品自体がなんかもう可愛い！夢主ちゃんの性格好きだし、そしてなにより永瀬様と平野様がかっこいい…！（様付けキモくてすみません）応援してます！！ (2022年12月30日 22時) (レス) @page26 id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひより
| 作成日時：2022年6月4日 16時
