検索窓
今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:14,276 hit

30 ページ31

「えっと、

い、…伊藤Aです!

よろしくお願いします、福沢さん!」


この人怖い、顔怖い。
白の少し長めの跳ねた髪の毛を降ろし
緑を基調とした和装に身を包んだ
とにかく雰囲気が店長と真逆の人。

怖すぎる。
けどお客様だからしっかり笑顔で。
人は見かけによらないって、
誰かが言ってた気がする!

「御注文は?」

「僕はいつものでよろしく!」

「珈琲を頼む。」

「かしこまりました!」


乱歩さんはいつものガトーショコラ。
可愛いよね乱歩さん。

「お待たせしました。」

湯気の立つ珈琲を福沢さんの前に、
砂糖を沢山入れた紅茶と
ガトーショコラを乱歩さんの前に置く。

「ごゆっくりどうぞ!」

にっこり笑って言う。
そうすると乱歩さんは
律儀にいただきまーす!と言って
早くも食べ進めていた。

一方福沢さんは微笑みを返してくれた。
ほらね!人は見かけによらないでしょう!


私はカウンターにてラテアートで
ちょっぴり遊ぶ。
ありきたりなハートだけど、可愛いものは可愛いのだ。

そうして、暇な1日を過ごしてると、
いつの間にか乱歩さんたちが席を立っていた。

「あっ、ありがとうございましたー!」

机を拭くための布巾を取り、片付け始めた。
綺麗に食べられたお皿と飲み干されたカップ
重ねてお盆に置いて机を拭いていく。

さっぱり綺麗になった机に浮き上がる木目と
渋めの茶色に磨きがかかったのを確認して
ふぅ、と一息ついてから、
装飾の小瓶を机に置く。


すぐに厨房に戻って洗い物を済ませ、
食器をもとに戻して完了。
ついでに先刻遊んでいたマグカップも
洗って戻しておこう。


その日は他に3組ほどお客さんが来た。

午後から、と言うか夜からは
居酒屋のバイトが入っているので
今日はもう上がる。

さてと、バイトの準備をしなければ。





「いらっしゃいませ!」


私は店内にて注文を取る人。

お酒を飲みに来たおじさまたちには効果的面!
ってここの店長が言ってた。
意味は理解できてない。
アイドントアンダースタンド!

「注文はお決まりですか?」

「えーっとねー、これとー、これとぉ

それからAちゃんかなぁー」

なんてニヤニヤしながら
手を伸ばしてくるのでひらりと避ける。

「もう、冗談は止してください。」

取り合えず注文をメモして厨房に伝える。


そうして仕事が終われば裏口から帰路を辿る。
それが私の毎日だった。


はずが

31→←29



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (20 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
27人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

空き地@ktnk - 初コメ失礼します。とても面白いです!更新されることを待っています!頑張ってください! (2020年9月24日 7時) (レス) id: da313b2c7d (このIDを非表示/違反報告)
リンレイ - 凄く面白いですね!更新楽しみにしてます! (2019年10月21日 7時) (レス) id: 551bea7f08 (このIDを非表示/違反報告)
光希(プロフ) - めっちゃ面白かったです。更新復帰楽しみにしてます。 (2018年1月28日 16時) (レス) id: cfe2cc8d41 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作成日時:2017年8月13日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。