96(大介Side) ページ46
帰路では二人で他愛もないことを止めどなく話した。
子供の頃流れたＣＭの内容がどうだっただの、教科書に載っていたあの文学の結末がどうだっただの、どれだけ俺がマニアックで重箱の隅を突くような話題を出しても、彼はそれを難なく受け止め、共感して見せた。
世代もほぼ同じ二人の共通の話題は絶えることはなく、友人としては最高の相性だった。
大介「なあ涼太、俺達が中学生だった時の地理の教科書の犬ぞり覚えてる？」
涼太「イヌイット族の？モンゴロイド系の人が乗ってるやつですか？」
大介「それそれ。俺さ、あの時どうしてもイヌイット族の所だけはテストで間違えたくなくて、必死に覚えた記憶があるんだ……」
あの日の自分を思い出しながら懐かしく思っていると、不意に涼太が足を止めた。
涼太のすぐ後ろを歩いていた俺は思わず彼にぶつかってしまう。
大介「ちょっと！どうして急にとまるの……？」
俺が彼の顔を覗くと、涼太は今までになく動揺した表情をさせ、今にも泣きだしてしまいそうだった。
雪のように白い肌は更に色を失って青黒くなり、小さな口はワナワナと震えて閉じることはない。
大介「―― 涼太？」
涼太はあり得ない、といった様子で真っすぐと先を見据えまま、動かなかった。
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雛(プロフ) - まりなさん» お返事遅くなり、申し訳ありません(汗)コメントありがとうございます！本編が終わってからになりますが、リクエスト書かせていただきます。こちらこそ、これからも末永くご愛読のほど宜しくお願い致します。 (2022年1月25日 20時) (
レス) id: 9f89b51e27 (このIDを非表示/違反報告)
まりな - 初めまして、雛さんの作品をいつも楽しみに読んでいます！リクエストなのですが、このお話の中に出てくる登場人物の過去編や未来編、だてさくメイン編も読んでみたいです！宜しければ書いてくださると嬉しいです！ (2022年1月22日 13時) (レス) id: 4c6ff4de06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛
| 作成日時：2021年9月19日 20時
