私の兄達は､変わってる【歌い手】

よーうーかーいーのー ページ13

翔太にぃは、すみっこにしゃがみ、なにかをもぐもぐとしていた。
……手をみれば、チョコミントのアイス。


「……翔太にぃ………？」

「はぅ…！？……ちょ、ちょっと待って！？内緒にしてくれない…！？」


……翔太にぃ、知らないのかな…？
…瑠璃が、全部の数を把握してるって。


「……私は言わないけど、いつかバレるよ…？」

「だ、だよねぇ…あ！そ、そうだ！
妖怪のせいにしよう！！！」


よーうーかーいーのーせいなのねー

……みたいな返事はこないと思うけど…




「Aー？遅いけど大丈夫ー？？
………って…翔太兄なにして…ｯ、んなっ！！！？！？？？」


……なんて悪いタイミングで…。
ひょっこりと顔を覗かせた瑠璃は、絶望的な表情を浮かべていた。


「……そ、それ…！超絶激レアのチョコミントアイス…！！！
翔太兄なにやってるの！？やめてっ！！僕の大事なアイスｩｩｳｳｳ！！！！」


涙目になり、絶叫する瑠璃。
翔太にぃはなにを思ったのか、


「おーつーまーみー！！ひもじぃ…」


を繰り返し言いながらちょっとずつ食べている。
……ほ、本当に妖怪のせいにするつもりだ…っ！！


「ちょ、翔太兄もうやめてっ！！！！
僕のライフはゼロだよっ！！！！！！？」


すると、翔太にぃが突然ピタッととまり、


「……はっ！お、俺はなにを……っ、！？
つ、つめたっ！？…え、アイス！？？」


……本当に実行したよこの人…。
瑠璃は、案の定ぽかんとした表情。

……かと思いきや。


「…へっ！？も、もしかして妖怪のせいなの！？
…た、確かに、それっぽいことを…そっか………」


……そ、そうだった…！！！
瑠璃は異常なまでの鈍感だった！！！！
鈍感というか天然というか………ばかというか…………。

まぁ、なにはともあれ、翔太にぃの「よーうーかーいーのー作戦」は
成功したようだ。

学校への道のりは→←瑠璃を女体化したバージョンだ

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