【w/r/w/r/d】魔女の幼馴染２

71話 ページ21

osmn-side

山のようにある書類の束を見てハァとため息が漏れる。
まだまだ終わりそうにないなぁ。と近くにある書類に手を伸ばしたが、腹が減っていることに気づき書類に触れようとした手を止めた。
そういえば、戦争が終わってからバタついていて碌にご飯…いやお茶すら飲んでない。
そう気づいた俺は素早く立ち上がり紅茶を淹れる準備をした。
そして紅茶を入れている最中にふとこう思う。

それにしたって、うちの奴ら自由すぎじゃないか？−−と。

グルッペンやトントンは最低限の処理をして後の仕事を俺らに振ったと思ったら行き先も言わずに出かけてしまい、今もまだ戻ってこない。
あの馬鹿ゾムにいたっては司令官に蹴りを入れそれ以来どこに行ってるかも自分で報告しないで自由にしている。
無意識に手に力が入り、手に持ったカップからピキッと音がして意識がふと戻る。

上2人はまだいいにしても、ゾムに関しては

「どうしてやろう…。」

ゾムに対する処分を考えている時、耳にかけていた無線に聞きなれた声が入った。

「オスマン？ゾムが帰ってきたで。もうちょっとしたら裏門に着くと思う。」

ロボロのその声を聞いて、了解と短く返す。
やっと帰ってきたか、あいつ。
やれやれと頭を手で押さえ、手に持ったカップを書類が汚れない位置に置き、報告にあった裏門へと歩みを進めた。

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