53話 ページ3
A−side
後ろを振り返ると、見たことのない男性がナイフを私に向けながら睨みつけていた。
「…！あ、ちが…」
もしかしたら不審者だと思われているかもしれない…！
そうなら誤解を解かないといけないと思い、少しだけ男性に向けて手をあげる。
その瞬間、シュッと耳元で何かが通った音と同時に自分の左頬が少し痛むのを感じた。
「動くな。」
…男性の手に握られていたナイフが投げられていることに気づきサァっと顔が青くなる。
少しずつ近づいてくる男性から逃れるために私も少しずつ後ろに下がる。
「どうやって入ったんや？ここが何処か分かってんのか？」
男性の問いかけに答えたいが恐怖で言葉が出ず答えられない。
その様子を見た男性は「ここで人殺したら怒られるんやろうなぁ」とため息をつき私に拳銃を突きつける。
じゃあ。と小さく言葉を発したと同時に私は目を閉じる。
私にもう少し勇気があったら。
心の何処かに彼がゾムさんのように優しくしてくれると思っていたことに少し恥ずかしくなる。
チャキと音が聞こえたその瞬間
「なにっ…してんねん！！！」
信じられない程の声量が部屋を響いた。
それと同時に目の前にいた男性は私の前から消え、壁に打ち付けられるのが見えた。
そして私を包み込んでくれる暖かさに涙が出るのが分かった。
「ゾムさ、んっ…」
目の前にいるゾムさんに抱きつき涙を流す。
「ごめんな、A」
彼の顔を見るとひどく傷ついていて、ごめんなさい。という言葉しか出なかった。
私の頬の傷を指で撫で血を拭いてくれる。
ゾムさんの指が私の血で汚れるのを見て私はもう一度ゾムさんにごめんなさい。と謝る。
すくっとゾムさんは私を抱きかかえながら男性に向かって声をかける。
「なにしてんねん。いくらショッピ君でも、こいつに手ぇ出したら殺すで。」
ゾムさんは男性が投げ、壁に刺さっていたナイフを抜き突きつける。
言葉から察するにゾムさんの知り合いのようだった。
でもゾムさんからは彼への怒りしか伺えなくて私は考えるより先に男性の前に立ちゾムさんの行く手を塞ぐ。
「まって、！ゾムさん！私がちゃんと説明しなかったのが悪いんです。傷つけちゃダメです！！」
さっきは恐怖で言葉が出なかったが、今はゾムさんが知り合いであろう男性を傷つける方が怖くて仕方なかった。
うぅ…。と私の後ろからうめき声が聞こえ、私はハッとなり後ろを振り返る。
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成瀬 - わあああああああああ！更新嬉しいです！でも更新ゆっくりで大丈夫ですよ!更新されるだけで嬉しいので( ´ω`)これからも頑張ってください!楽しみにしてます！! (2019年8月18日 22時) (
レス) id: 1c8c0eeede (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 更新をとても楽しみにしていました! 私の大好きな推しが幼なじみの設定で、見つけた途端に発狂してしまいました… これからも楽しみにしています! 頑張ってください! (2019年8月18日 2時) (レス) id: ed8d61f0bf (このIDを非表示/違反報告)
リンク(プロフ) - ^黒ω猫^様、そらまめ様》感想ありがとうございます。完全な不定期更新で申し訳ございません。今後も読んで頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。 (2019年8月17日 21時) (レス) id: ffa34a5a29 (このIDを非表示/違反報告)
そらまめ - すっごく面白く一気に読んでしまいました！ 更新頑張ってください！ (2019年7月22日 14時) (レス) id: 04a77244fd (このIDを非表示/違反報告)
^黒ω猫^ - 面白いですね。魔女系好きになりました！ (2019年6月27日 16時) (レス) id: f1451596cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リンク | 作成日時：2019年1月13日 11時
