#Dragon Fang...5 ページ7
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『歴史を守る為の審神者。...歴史を守る為の刀剣。
私たちがこうして人間として顕現された理由は、結局そこにあるんだろ。正直あんたからの説明を聞いた時、疑問に思ったんだ』
___ただの道具として使われるために、私は再びここに来たのだろうか、と。
昔は、別にそれでも良かった。
道具___、ただの公の刀として、戦場で戦えるのが私にとっての一番の楽しみだった。
それが少しずつ変わっていったのは、やっぱり元の主の影響が強い。
彼のおかげで、感情を持つことが出来た。
今の私がこうしてここにいるのは、人間らしい感情を持っているからだ。
『あんたの説明を、私は「刀剣は歴史を守る為なら、何が何でも主の命に従い、自分の身を賭して戦わなきゃならない」、って受け取ったんだ。けど、使役される私たちはただの駒じゃない。自分で考えるし、行動できる』
「.......」
『主を選ぶのは使われる身である私たち刀だ。私はそれを絶対としてる。
...けど、今の話ですっかり納得したよ。あんたは私が仕えるに値する人間だ』
この人間なら、私を使いこなせるだろう。
刀剣を、生身の人間として見てくれている。
道具ではなく、人形ではなく、...理性と感性を持つ、人間として。
一瞬考える素振りを見せた後、主は強い光を宿した瞳で、こちらを見据えた。
「お前の言う事も最もだな...。今の政府は、若干そんな傾向がある。
刀剣は道具、使い捨ての駒という認識が当たり前__、と言ったら言い過ぎかもしれないが。
俺はそんな事思わないし、そう思ってる奴はクズだと思う」
それを見抜くんだから、お前は聡い刀だな___、
一言だけそう呟き、視線をこちらからずらした。
私の、背後。
審神者室の、大きな扉に目が行っている。
不機嫌なように口角を下げていた顔を、みるみるうちに明るくする。
「さぁて、暗い話はおしまいにしよう!お待ちかねの案内役の登場だ!」
『え、足音、聞こえないけど__、!?』
いや。
...聞こえた。
少しずつ大きくなってくるドタバタ音。
いや、案内役とはいっても、別にそこまで焦らなくてもいいんだけどな...、
とこちらが思うほどに、全力疾走してくる足音が、凄まじい勢いで近づいてくる。
____そして。
バターーーンッ!!
...盛大に木製の扉を開け放つ音が、審神者室に響いた。
「おっ、やっと来やがった!遅かったな大倶利伽羅!」
『.......ッ!!?』
____は?
いや、ちょっと待て。
"あいつ"を案内役にした、なんて。
...聞いて、ないんだが。
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*紫苑*(プロフ) - 瑠色さん» ご指摘していただきありがとうございました!早急に直しました。おっしゃる通りですね...以後気を付けますが、もしまたこのような事がありましたら、遠慮なくコメントしてください! (2019年2月18日 19時) (レス) id: 9bd0eaa6f6 (このIDを非表示/違反報告)
瑠色(プロフ) - 失礼します。そねさんは長曽祢虎徹です。蜂須賀さんも虎「徹」です。
細かいですが、銘は大切なものなので、気をつけてください。 (2019年2月18日 1時) (携帯から) (レス) id: 04ea405d06 (このIDを非表示/違反報告)
*紫苑* - 月夜桜さん» コメントありがとうございます!刀剣乱舞の伊達組メインのお話って意外と少ないですよね〜。作者による作者の為の俺得小説とはまさにこれですが、それでも伊達組沼に共感してくださる方がいて、とっても嬉しいです(≧▽≦)頑張ります! (2018年9月27日 6時) (レス) id: 9bd0eaa6f6 (このIDを非表示/違反報告)
月夜桜 - すごい面白かったです!伊達組メインとか俺得!これからも更新楽しみにしてます! (2018年9月25日 19時) (レス) id: d530b8b740 (このIDを非表示/違反報告)
ぐじゅぇり - 喧嘩上手の戦上手の…………喧嘩はわからんが、うちは薬研が一番レベル高いよ。 (2018年9月4日 19時) (レス) id: f643507f9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*紫苑* | 作者ホームページ:http://twitter.com/wakagi415
作成日時:2018年8月18日 20時