生きる【3A】8

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その時、郡司が屋上に姿を見せる。






柊は立ち上がると、郡司の元に歩みを進めた。





その顔は、柊の決意の固さを物語っていた。





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郡司「……柊一颯、器物損壊、その他諸々の現行犯で、

逮捕する。」




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郡司は、柊の手首に手錠をはめた。




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郡司は、泣きながら此方を見ている生徒たちを眺めると、




郡司「…おいおい〜、どっちが正義か分かんねぇな。」









と、困ったように笑った。


そんな郡司の姿に、柊も笑いながら頷いた。






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校門の外はマスコミで殺到していた。




柊は郡司につられ、久しぶりに校舎の外に出る。





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その時、彼の前に

相楽文香が姿を現す。







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まさかこんなところに来ているとは思わず、柊は驚きの表情を浮かべる。








文香「……ありがとう、」






"ありがとう"




その言葉に、柊は少し驚きながら微笑み、


首を横に振った。






柊「俺は自分の為にやっただけだよ、」





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文香は笑顔を見せる。





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「行くぞ！」





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複数人の警察に連行される柊の背に。





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「先生！！」






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彼を呼ぶ声が幾度となく呼びかけられる。




柊が振り返ると、



そこにはA組の生徒たちの姿があった。






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柊はひとりひとりの顔を眺めていく。





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そして、笑みをこぼした。


柊「……、みんな良い顔してるなぁ…。」






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「卒業おめでとう…！」





柊は、最後にそのはなむけの言葉を生徒たちに投げかけた。








生徒たちは、



希望に満ち溢れたような、



輝きに溢れた、

本当に良い表情をしていた。




柊が、この生徒たちに言うことは


もう、なかった。

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