5話 ページ6
Aside
ドクンドクン自分の脈の音がこころなしか大きく聞こえる。
この人もしかして、、気づいてる…?
「他の理由?何だよ、それ」
お兄ちゃんが少し驚いたように言った。
「… 」
何か、言おうとした。でも、何も思い浮かばなかった。目の前の青年は何を言っても、全てお見通しだと言っているようで。
すると、突然目の前の青年は私の足元にあったぬいぐるみを勢いよくどけた。
突然の事で反応が遅れてしまった。咄嗟に私は足を隠した。手が震えてきた。
「ッ!?」
見られてしまった。私は俯いて黙り込んだ。
「A…っ その足…」
私の切断され、綺麗に包帯が巻かれた足を見られてしまったのだ。
気づいたら私は抱きしめられていた強く強く、でも何処かすごく優しい。
「Aっもう、Aに、そんな事した奴は死んだ。手前はもう、何にも怯えなくていいんだ!!俺が絶対守ってやる。だから此方に来いよ!!」
「駄目だよッ…だって、そんな事したらお兄ちゃんに…迷惑がッ…」
頬に涙が伝っているのを感じた。駄目、こんな所で泣いては駄目。分かっていても抑えられなかった。
「迷惑なんかじゃねぇよ!!!!」
「俺はお前がいるだけでっ!!」
「ちょっと、中也、落ち着きなよ。莫迦なのかい?」
「あ゛!?」
「今は気持ち問題以外に説明したいと行けないことがあるだろう」
「チッ…」
少しイライラしたようにお兄ちゃんは包帯の人を軽く睨むと真剣な顔つきで私に話しかけてきた
「A、手前の異能力があれば確実にマフィアの役に立つ。だからAが悩むこともねぇ。マフィアにこいよ」
とても優しいかった。凄く嬉しかった。お兄ちゃんが私を必要としてくれている。ただ一人の家族大好きなお兄ちゃんが私を必要としてくれている。
こんな醜い私を…。
止まりかけた涙も止まらなくなってしまった。
「うん…。私ッ… マフィアにっ入りたいっ」
「ちゃんと笑えんじゃねぇか」
お兄ちゃんは嬉しそうに私の頭を撫でる。懐かしい手の感触気持ちよかった。
ガチャ
突然扉が開いた。思わず私はビクッと反応してしまう。
「片付けが済みました。」
スーツ姿にサングラスをつけた、男が報告をしに来たようだ。私は小さくため息を付いた。
「よし、帰るよ。首領にも報告に行かなくてはいけないしね」
「嗚呼。"帰れるぞ"A」
「うん」
帰るその一言が私にはとても嬉しかった。
「あっ、待って。」
私はぬいぐるみの上を掻き分けながら進んだ
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雪見だいふく - あの、多分ねぇさんじゃなくていいあねさんです (2018年7月23日 10時) (レス) id: 45f0691588 (このIDを非表示/違反報告)
蒼也 - 文スト大好きおじさん(笑)さん» 一様、はじめが黒の時代編なので与謝野先生と出会ってないっという設定何ですよ〜() (2017年8月1日 10時) (レス) id: 46346c34a6 (このIDを非表示/違反報告)
文スト大好きおじさん(笑) - 与謝野さんがいるから治る!と、思いました!でも、太宰が気づかないとは (2017年6月3日 13時) (レス) id: 69007943fd (このIDを非表示/違反報告)
蒼也 - 千さん» 有難うございます!!太宰さんも頑張ります!!次も(?)ワクワク出来るような作品が作れるよう頑張ります!! (2017年5月4日 23時) (レス) id: 805bfff9a4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼也 - medaemonさん» 有難うございます!!本当に更新遅れて申し訳ないです。此れからはそんなことのないように…が、頑張ります。太宰さんのお話も頑張らせて頂きますm(*_ _)m (2017年5月4日 22時) (レス) id: 805bfff9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼也 x他1人 | 作成日時:2017年4月20日 8時