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最悪。
あそこまで言うくらいなら、頭突きじゃなくてキスしちゃえばよかったのに。
結果、なんだか気まずさだけ残るという最悪な結果になってしまった。
「元気ないじゃん」
玉森くんが机に突っ伏してる私を定規でつんつんしてくる。
「作戦は失敗に終わった…」
「え？！まじでしたの？！キス」
「できなかったの！」
その日わかりやすく生物の授業だけさぼった私を、横尾先生は容赦なく放課後残って課題をするよう命じた。
「終わるまで帰るなよ」
冷たい声でそう言って、自分はどこかへ行ってしまう。
ため息をつきながら、課題を黙々と終わらせていると、夕日が教室に差し込んできた。
私の席は窓際だから、オレンジに染まった空がよく見える。
夕日をあびた茜色の雲が流れてる。
「空見てないで、早くやれ」
いつの間にか戻ってきた横尾先生が近づいてきて、私の机の前に立つ。
「先生、夕焼け」
「そうだな」
「先生、明日は晴れですね」
「そうだな」
「先生、キスして」
ふわってカーテンが風をはらんで、一瞬二人だけの世界になる。
先生と、私と、夕焼けの赤い空。
「……もー先生。何でそうだな、って言わな…」
先生が、机に手をついて。
ゆっくり私に顔を近づけてくる。
目を閉じるのも忘れてたら。
ななめに傾けた先生の唇が、あと数センチでふれる、ていうところで。
先生は、ぴた、っと動きを止めた。
「軽はずみにそういうことを言うな」
先生の鋭い目が私を捉える。
でも私は逃げない。
「軽はずみじゃない。高校生だって、本気だし。
17歳だって、女だよ」
「俺だって、教師だけど男だ」
「え！じゃあ、先生！今私にどきどきしたの？」
先生は答えずに、私の課題をばさばさ取り上げると。
「もういい、帰れ」
そう言った。
「質問に答えてないんですけど。
生徒の質問に答えるのは、教師の義務です」
「…生意気だな」
「答えてよ」
「とりあえず真面目に授業は受けろ」
「答えになってないです」
「真面目に授業受けて、さっさと卒業しろ。
答えるのはそれからだ」
「……え？」
先生、それって。
それって！
飛びつこうとした私を、面倒くさそうに押しのける。
「早く帰れ」
そう言って笑う先生は。
今までで一番優しい目をしてるように見えた。
『茜雲』…END…
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ニイナ(プロフ) - あやかさん» こんな後味のあまりよろしくない話まで読んでくれたの😂この先どこまでも落ちてほしいです(願望)コメントはいつもらっても嬉しいです、ありがとうです♪ (2021年9月24日 20時) (
レス) id: 9453ebaee9 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 北山さんのお話、禁断ですがこの先が気になる〜(//∇//)(コメント連投ですいません) (2021年9月24日 12時) (レス) @page22 id: d1d73bb006 (このIDを非表示/違反報告)
ニイナ(プロフ) - 深雪さん» 深雪さんがこのシリーズ好きだって言ってくださって本当に嬉しかったです！深雪さんは誰担さんなのかしら、またいつか教えてくださいね♪後日談！書くつもりじゃなくて好き勝手終わらせてしまったけど、話数余ってるし機会があれば書いてみようかなー (2021年7月9日 17時) (レス) id: 53a8b8ecd7 (このIDを非表示/違反報告)
ニイナ(プロフ) - りーちゃんさん» りーちゃんさん♪だらだら書いてたのにどのお話も読んでくださってありがとうございました！ハッピーエンドじゃない終わり方を考えるのがけっこう好きみたいです★りーちゃんさんがどんな妄想をしてくれたのかめっちゃ聞きたいです( ´艸｀)♪ (2021年7月9日 17時) (レス) id: 53a8b8ecd7 (このIDを非表示/違反報告)
深雪(プロフ) - このシリーズすごく好きでした。この後どうなったのか妄想を楽しみつつ、後日談も読んでみたいような。 (2021年7月9日 0時) (レス) id: a8c1d7b9de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニイナ
| 作成日時：2021年6月6日 20時
