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観覧車の待ち時間はパレードの場所取りや遅い昼食をしている人が多いからか30分程になっていた。
その間の会話はいたって普通で学校や最近あった出来事や今日のお土産のこと、いつもと変わらないやりとりに安堵する自分ともっと踏み込みたくなる自分がいる
僕たちの順番になり「足下に気をつけて下さい」と言うスタッフに軽く頷き我先にと飛び乗る聖火に苦笑しながら乗り込めば扉が閉まりゆっくりと地面が遠ざかっていく
『うわー高いです!あの辺りが商店街かな?学校は…あそこかな?』
楽しそうに街を見下ろす聖火にその気になればいつでも見れるんじゃないか?と聞けばそれはそれ、これはこれと返される。だいぶ小さくなった街を見下ろして、あの時は夜だったなと夢の中での事を思い出す
「どうしてあの時僕の夢に?」
あの時?と一瞬考えてすぐに思いあたったのか座り直して話し出した
『あれはお姉ちゃんのギフトです』
「ギフト?」
『はい、はるかさんの夢を叶えてって私の意識を潜り込ませたです、どういう仕組みかはわからないですけど前世じゃ育った場所も得た知識も違いますから』
毎回狐に化かされた気持ちになると言う聖火の言葉に頷きながら「僕の夢か」と小さく零れた言葉に『風になりたかったんでしょう?』と返された。どうして?と聞けば燐火が言っていたと言われ驚くと同時に何故か溜め息が出た
「誰にも言った事は無かったんだけどな」
『そうなんですか?』
「ああ、それなのになんで知ってるんだか」
一体アイツは何なんだと思うも謎は深まるばかりで理解など出来る日は来ないだろうと諦めの方が強くなる

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Vacancy(プロフ) - みずなさん» コメントありがとうございます!何度も読んでいただけて嬉しいです!時間を見つけて少しづつ書かせてもらっていますのでこれからも好きな作品であり続けられるように頑張りたいと思います!! (2024年4月6日 20時) (レス) id: c3fe332d4f (このIDを非表示/違反報告)
みずな - もう何回も読み返してしまうほど大好きです! (2024年4月6日 2時) (レス) @page23 id: 93a30bce7c (このIDを非表示/違反報告)
Vacancy(プロフ) - ぱるむさん» コメントありがとうございます!嬉しいです!制作の時間が取りづらいですがこれからも少しずつ短編更新していけたらと思います。 (2021年11月29日 21時) (レス) id: b0fe66aeed (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむ - とても素敵な作品でした! (2021年11月29日 1時) (レス) @page9 id: ad50c4a697 (このIDを非表示/違反報告)
Vacancy(プロフ) - みかささん» ありがとうございます!お嫁さんは連載時から書きたかったのでそう言っていただけて嬉しいです!これからも少しずつ4人の幸せを更新出来るように頑張ります! (2021年8月3日 23時) (レス) id: e3f2568b7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Vacancy | 作成日時:2021年7月25日 22時