22話 ページ25
あれから1年もしないうちに、私は家族を全員失った
兄が亡くなった後に、姉もその流行病にかかってしまった
海を渡った大陸にその病を治せる医者がいると知った父は、兄と同じ結末にはしたくないと、姉と一緒に海を渡る決意をした
この世界ではまだ航海の技術が発達しておらず、海を渡るというのは危険なことであり、尚且つこの時期は台風が発生しやすい時期であった
そして、船が大破し、その残骸が向こうの大陸へ辿り着いたとの連絡があったのはつい先週、そして家族の遺体が漂着したという連絡があったのが一昨日の出来事であった
昨日、電話が来て、その声の主はグルッペンさんのお父様からだった
�犧�約は破棄する��
まぁ短くして言えばそんな事だった
仕方の無いことだろう。この世界を生きていくには時に厳しい判断をしなくてはならない
私は、本当にこの世界で、一人ぼっちになってしまった
グルッペンさんが言ってくれた縁というのも、こんなに脆いものだったのか
『……自由に生きなさいと、言われたんです』
沢山泣いたからガラガラで聞き取りにくい声だったけど、しんぺい神はこちらを向いて返事をしてくれる
「これからどうするか、決めたんだね」
『はい。私、旅をします。
音楽の技術を極めるために外国へ行きたいんです』
父という後ろ盾をなくした今、まだ若い私だけでは、この家を守ることは出来ない
私はこれから先、1人で生きていくことになる
幸い、父の遺してくれたお金はいくらかあるし
これは第2の人生なのだから、自分のやりたいように生きよう
それに、ここで挫けては、それこそこの家の名が廃る
「僕は、君のことを見守ることが目的だった。そして、今日で僕の任務は完遂したことになる。だから天界へ戻らなきゃいけない」
『…また、会えますか？』
「あぁ、また会えるよ。約束する。
…君はこれからたくさんのことを経験するだろうけれど、」
しんぺい神は私の涙を指で拭いながら、そう話しかける
「この先の未来は、きっと祝福にみちているだろう。神見習いの俺が言うんだ、嘘じゃないよ」
彼はそう言って微笑み、私を励ましてくれる
人生の乱数調整をせねば！なんて考えていた頃が懐かしい
たくさん大変なことがあったけれど、
でも、この神様の言葉があれば、もう少しやっていけるかもしれない
それに生きていればまた、グルッペンさんにも会えるだろう
そう思いながら、私は第2の人生の新たな1歩を踏み出したのだった
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はゆり - エーデルワイスと言ったらあの曲が流れてきますねぇ。結構あのお話好きなんです！まぁそんなことよりもお話ものすげぇ面白いです！これからも頑張って下さいましぃ (5月1日 21時) (
レス) @page10 id: 6422253908 (このIDを非表示/違反報告)
年中微熱(プロフ) - 兎どんさん» コメントありがとうございます！兎どんさんの気持ちがこもったコメントを読んで心が暖かくなりました。この作品を読んでいただき本当にありがとうございました。第二シーズンの方でもよろしくお願い致します！ (2019年11月8日 18時) (レス) id: 81e47a6c6b (このIDを非表示/違反報告)
兎どん(プロフ) - 1シーズン目、全て読ませて頂きました！とても素敵なお話をありがとうの気持ちでいっぱいです…。箱推しなのですが強いて言うなら3強が好きなんですが、これを読んでると総統様一筋になりそうなレベルで苦しいですw 2シーズン目を楽しみにしています！！！！ (2019年11月8日 12時) (レス) id: 292a211385 (このIDを非表示/違反報告)
年中微熱(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» コメントありがとうございます。これからも好きと思っていただけるよう精進してまいりますので、続編でもどうぞよろしくお願い致します。 (2019年11月4日 19時) (レス) id: 81e47a6c6b (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - はぇぇぇぇええええ、好き（） (2019年11月3日 20時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：年中微熱 | 作成日時：2019年9月29日 3時
