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うずまき ページ20

鏡花とはちょくちょく会っている。ポートマフィアと武装探偵社が同盟を組んでからその頻度は増した。


「兄様、何か悩んでる?」

「わかっちゃう?」

「判ってしまう」


頷いた鏡花。真剣な顔も可愛いね。
武装探偵社の御用達だという喫茶店『うずまき』に案内してもらった俺は珈琲を飲みながら眉を下げた。鏡花はホットミルクをふうふうと冷ましながら飲んでいる。

以前、鏡花が同棲しているという敦という人に「いくら同盟組んだからって堂々とし過ぎじゃ……」と突っ込まれた事もあるが、鏡花が「兄様を傷つける者は誰であっても消す」と宣言したので俺の安全は保証された。マフィアに居た頃からこの子は強くて頼もしい。


続きを促すようにこちらを見つめる鏡花に「最近恋人ができてね」と話し出すと、常に冷静な鏡花が珍しく盛大にむせた。
鏡花は呼吸を整え、すっくと立ち上がった。


「少し出掛ける」

「何処に?」

「その恋人の顔を拝みに」


別に鏡花も知ってる人だけどな、と思いながら「そっかー」と返した。行ってらっしゃい気をつけてね。


「ちょ、止めなさいよ貴方!」


そんな声と共に肩を叩かれる。声の方を見上げると癖のある赤毛の女の子がいた。服装からして多分此処の給仕さんだ。


「あのおチビさん、貴方の恋人殺しかねないわよ!」

「……えっ、マジ? 鏡花、鏡花まって!!」


殺すのはまずい。



□□□



恋人は今出張で北海道にいる、と嘘を並べ立て、鏡花を連れ戻すことに成功した。いや出張してるのは本当だ。三日の短期だけど。たしか今日帰ってくる。


「教えてくれてありがとう……えっと、」

「モンゴメリよ。転職早々血生臭い話は聞きたくないもの」


「おチビさんは物騒でいけないわ」と呆れたように言いながら、モンゴメリちゃんは新しいお冷を注いでくれた。それに会釈を返し、憤然と俺を睨む鏡花と向き合う。


「その恋人が、どうしたの」


うわ鏡花の声が低い。これ相談続けてもいいんだろうか。


「恋人と同衾したとき、」


がたっ、と勢い良く席を立った音に遮られた。


「わー!」「何だい敦? 折角良い所だったのに」という会話の後、「鏡花ちゃんは聞いちゃいけません!」と真っ赤な顔の敦くんに鏡花は強制退場させられた。
空いた席には知らないボブショートの女の人が座る。


「どちら様ですか?」

「妾は与謝野晶子、医者だよ」


自己紹介した与謝野さんは「その相談、妾が乗ッてやるよ」と妖艶に笑った。

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こめ(元団子)(プロフ) - ドロシーさん» 嬉しいです! ありがとうございます! (2019年10月16日 0時) (レス) id: a3e8a2be57 (このIDを非表示/違反報告)
ドロシー(プロフ) - 好きです。(真顔)普通に自分の好きな小説のタイプにドストライクすぎて怖いくらい好きです。もうもっとヤってもらって大丈夫っす(鼻血)これからも応援してます!更新頑張ってください! (2019年8月9日 0時) (レス) id: 1a3258aeeb (このIDを非表示/違反報告)
こめ(元団子)(プロフ) - 鯖野郎さん» ありがとうございます どんどんヤります (2019年5月25日 23時) (レス) id: a3e8a2be57 (このIDを非表示/違反報告)
こめ(元団子)(プロフ) - ろもざんさん» 文面にセンスがありすぎて笑ってしまいました。更新はややゆっくりですがこの先もよろしくお願いします! (2019年5月25日 23時) (レス) id: a3e8a2be57 (このIDを非表示/違反報告)
鯖野郎 - いいぞ もっとヤれ(真顔) (2019年5月8日 21時) (レス) id: df533e69bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こめ | 作成日時:2019年1月14日 14時

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