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25話 ページ25

──────


これだけ騒がしくしていれば、床屋の前に人集りができるのも当然のこと。
来た時と一変し、ガヤガヤとしている。

尾形は小銃片手に、署長の頭髪を掴んで表まで引きずり出すと周囲を見渡した。人集りの中にあの老人を見つける。こちらをしっかりと見ているのが分かった。


尾形は掴んでいた署長の髪を離すと、素早く小銃を構える。そうして一発、立て続けにもう一発を放つ。

放った銃弾は2発ともやぐらの鐘を鳴らした。


その腕前に周囲はより騒然となる。


(大体60メートル程のもんだろう……この男には訳がない)


尾形は得意げに笑ったあとに「こいつの実力は保証してやる」と一言。Aの背中をポンと叩く。


「先生!!こちらです!」


そこに馬吉がヘコヘコとしながら声を掛けた。
実力に慄き、話の出来る場所まで案内してくれるようだ。

一味と署長を先に歩かせ、Aと尾形はそれに続く──。



歩きながら、尾形は整えたての髭を確かめるかのように、顎に手を当てていた。そのまま尾形は視線を移さず、前を向いたままで隣をゆくAへと話しかける。


「──そういえば……お前も見てただろ?」

「あぁ……」


先程、こちらを見ていた老人のことである。

長く鶴見中尉の下で動いていたのだ。
尾形もあの老いた男が誰であるかに気付いていた。


(──土方歳三……)


動き出していたことは把握していたものの、その後の行方までは掴めていなかった。まったく運がいいのか悪いのか、不安になってくる。

そんなAの心情など知らない尾形は、企んだ顔をして「“当たり”だな」と一言。


「気をつけろよ」


心して渡り合わねばならないのは確かなのだ──。

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ra(プロフ) - プスメラウィッチさん» しがない字書きにコメントありがとうございます🙇とても元気をもらえました。実はこのサイトで文章トレスされてしまっていたようで、もうここには投稿しない方針で考えています。pixi⚫︎の方などに投稿するか検討しているのでその際はお知らせいたします (1月31日 22時) (レス) id: e3ec8bd41f (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 続きの更新頑張って下さいね😆応援しています。 (1月31日 15時) (レス) @page26 id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ra | 作成日時:2021年5月13日 1時

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