惑星アロー奇襲戦 ページ48
デブリが除去され、艦という艦が亜空間の膜に包まれ、本来の物理法則にとらわれない超光速で進んで行く。チェスター・アドキンス博士のジャンプ航法に基づいた移動方法だ。エネルギー節約のために旧式艦だとドーナツ型の補助装置が必要であり、核融合炉搭載艦ですら簡易シールド(破片や爆風レベルものもを防ぐ)以外の機能は停止しないとワープができない程だ。消費エネルギーを減らすように四苦八苦しているが、5回も6回もワープが出来るのは現代艦のみである。大気中では亜空間状態に入るのは危険だということや、ワープすれば原因はわからないが記憶喪失や精神異常を引き起こす可能性が高く、健康管理と錠剤の服用が必須など害も大きい方法だ。
補助装置を付けて数分、全艦はアローに向けて急速発進した。
マルシアル中佐はロベール大佐からの決死の報告を受けて、本国への通信を決断した。霙が足下をつつく中、彼は本国へ通信を回した。だが、なかなか繋がらない。普通なら起こりえないはずだ。中佐は「ポンコツめ！」と叫んで通信機を投げ捨てた。
「ん？」
彼は異常に気づいた。反応がある。話し中だったのだろうか。中佐は喜び勇んで通信機に駆け寄った。
その頃、すでに大魯帝国艦隊700隻は惑星アロー上にワープしていた。しかもアローの放射線帯にである。地上にいるものたちはクロード＝アシル帯(バース星での放射線帯の発見者の名前から)を通過するのではなく雲の端から見せつけるように留まる艦隊に軍人はレベルの差に絶望し、一般人は艦隊というだけで更に騒ぎ、科学者達は彼らの対放射線技術に留まることのない関心を持ったのだった。
その内300隻は地上にやや接近し、都市部にミサイルや爆弾を大量に投下した。移動手段が少なく、渋滞が起こっていた都市部に投下したのだ。忽ち人々は火だるまになってヒビだらけの道路の上を踊り狂った。最早人の物とも思えない悲鳴が飛び交い、それを聞くことすら耐えられないほどの惨状だった。だが、彼らにはそんなこと見えはしないのだ。平然と機械的に投下し続ける。彼らの行動は無情と言えるものなのか、見えていれば少しは躊躇うだろうが、無知とは恐ろしいものである。何十何百万という人間が息絶えても尚、止むことはない。数発の爆弾は警察施設の破壊に向かった。
そのうち幾らかは警視庁の一室に命中した。轟々と立つ爆炎とともに黒焦げの亡骸が吹き飛ばされた。中佐が本国に連絡をすることは二度となかった。
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デ・ロイテル(プロフ) - 特命さん» ご清覧ありがとうございます。そうでしたか、失礼しました。見つけ次第すぐに対処致します。本当ですか！？ありがとうございます。推敲には力を入れているのでそう言っていただけると嬉しいです。続編の方もよろしくお願いします。 (2018年10月5日 21時) (
レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
特命 - 楽しく読ませて頂いています。どこかに「機器」が「危機」になっている箇所と、助詞の「は」が重複して「はは」になっている箇所があったようです。勘違いでしたらすみません。これほどの長さの文章で２カ所だけってすごいです。続き楽しみにしています。 (2018年10月5日 21時) (レス) id: 3f4c6d750f (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - 次で50話ですね。キリ悪い…… (2018年10月4日 0時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
Olivie(オリヴィエ)(プロフ) - デ・ロイテルさん» これからも頑張って！！おうおう、良かった〜……(チャット化しそうなので返信不要) (2018年9月30日 0時) (レス) id: 26b767d003 (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - Olivie(オリヴィエ)さん» いえいえとんでもない！これからも精進しなくては！嫌うなんてないで。三笠と一緒に居れるねんで？ぜーんぜん怒ってへんよ。 (2018年9月30日 0時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：デ・ロイテル | 作成日時：2018年8月12日 0時
