少佐の返答 ページ41
「少佐、如何返答致しましょうか」
「ううむ……」
少佐は考え込んだ。すでにモルガード大尉は発狂して奥に運ばれ、コロナ大尉は砲撃に五体を引き裂かれている。そのため彼は初めて現代戦術に頭を下げたくなるほど感謝した。現代式戦術のお陰で総指揮を取るものが戦死しても各々の分隊は機能するからである。徴兵制がないため職業軍人であることも大きい。一つ問題をあげるとしたら職業軍人の癖にメンタルが弱すぎることだろうか。これは別に現代的な兵役制度の所為ではないのだが。
「すでに400人余りが死傷し、全滅以上の被害を受けている。ここは降伏しよう」
「承りました」
降伏を決断するにおいて少佐は後ろめたい感情を抱いていた。しかし、いざ降伏が決まると特に階級の低いものが静かに喜んでいた。声こそ上げなかったが、頭隠して尻隠さずと言うべきか表情は崩れていたのだ。下の者からしたら興味のないこと、寧ろ迷惑でしかなかったのだろう。彼らにとっては統合参謀長の独裁とか司令官の義挙とかよりも明日の軍曹の機嫌の方が重要事項だ。喜ぶのも無理はない。
「ということで敵は無事降伏しました。また、統合参謀長閣下には適当に誤魔化しておきました、大佐」
「うん、ありがとう。では、早速議事堂の制圧にかかる！ 歩兵部隊を前進させよ！」
「イエッサー！」
歩兵達は議事堂に突入、まず要所を制圧し、敵兵の隠れていそうなところを虱潰しに探った。だが、たまに下士官以下のものが投降してくるのみで肝心の首謀者たちは誰一人として見つからなかった。
「これはまずい、非常にまずい」
「大佐……警視庁奪還部隊より入電です」
「貸してくれ」
大佐は、報告を聞くにつれて電波妨害でもあったら良かったのにと思ってしまった。実はグーチィ最高司令官らは一部のものだけで密かに抜け出し、海岸に向かっている。また海岸には一万では済まないほどの兵がいたという。しかも戦車を含むと。そして戦車を含むの報告に過剰反応した統合参謀長が空軍に空爆を要請したと。だが、最後の最後に報告されたことで少なからず安心するのだった。
「市街地に……え？ ……本当か？ ……じゃあ大丈夫か……そうだなそれを祈るばかりだ」
「大佐？」
「なんでもない。……まず市街地に出て住民を救助、その後に警視庁の部隊と合流する」
「イエッサー！」
大佐の残存部隊は一線に赴く時のような緊張感を持って市街地に出た。
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デ・ロイテル(プロフ) - 特命さん» ご清覧ありがとうございます。そうでしたか、失礼しました。見つけ次第すぐに対処致します。本当ですか！？ありがとうございます。推敲には力を入れているのでそう言っていただけると嬉しいです。続編の方もよろしくお願いします。 (2018年10月5日 21時) (
レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
特命 - 楽しく読ませて頂いています。どこかに「機器」が「危機」になっている箇所と、助詞の「は」が重複して「はは」になっている箇所があったようです。勘違いでしたらすみません。これほどの長さの文章で２カ所だけってすごいです。続き楽しみにしています。 (2018年10月5日 21時) (レス) id: 3f4c6d750f (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - 次で50話ですね。キリ悪い…… (2018年10月4日 0時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
Olivie(オリヴィエ)(プロフ) - デ・ロイテルさん» これからも頑張って！！おうおう、良かった〜……(チャット化しそうなので返信不要) (2018年9月30日 0時) (レス) id: 26b767d003 (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - Olivie(オリヴィエ)さん» いえいえとんでもない！これからも精進しなくては！嫌うなんてないで。三笠と一緒に居れるねんで？ぜーんぜん怒ってへんよ。 (2018年9月30日 0時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：デ・ロイテル | 作成日時：2018年8月12日 0時
