裏切り ページ38
「さてと……もしもし……すいません気をつけます。大佐、そんなことより……あっ、すいません……あのいいですか?……ありがとうございます、統合参謀長を発見しました。……はい、分かりました」
少尉は念のために事前に報告を入れると、数人の部下に見張りを任せて急ぎ足でかすかに見える大佐の仮陣地に向かった。
「大佐!やりましたよ」
「ああ、見事だ。すぐに行こうか」
「はい、わかりました」
大佐らは見つかることを恐れてなのか歩いて向かった。その慎重さのせいか、大佐らは闇に溶け込んで行くようであった。だが、彼らは道に迷うことはなかったのである。彼らはそこまで見つかることを警戒した。残念ながら、と言うべきかそんなことを話題にしているのものはおろか気にするものすらいなかったのだが。
それほど距離がないためか統合参謀長の元には割と早めに着いた。
「大佐、こちらです」
「うん、まさに統合参謀長閣下だ。ご苦労だった。ちょっと下がって」
大佐は統合参謀長の体に手を当て、一息つくと、
「参謀長閣下、ロベールです。もう大丈夫です。奴らはいません」
と言った。そして統合参謀長は左腕をさすりながら起き上がると、
「ありがとう。いやいや、上手く血糊が飛び散ってくれて良かったよ。ところであれは本物かね? 」
「はい、念のために本物にしました。あの……左腕、どうされました? 」
「奴ら、窓から突き落として来たから骨折したんだよ。頭から落とされなくて良かった。ははは……君が上手く潜伏してくれていなかったら焦って他の政治家たちのように縮み上がっているうちに殺されていただろう。君の手柄、それと凍死する前に見つけてくれた彼の手柄だ」
「ありがとうございます。おい、少尉、やったな! 」
彼らは僅かな間話し合うと立ち上がって同じようにゆっくりと陣に向かった。大佐は、予定通り、自分の麾下の兵たちに陣地に集まるように言った。大佐の指揮する隊は2000人、今会議室にいるのは50人程度である。大佐は同時に砲の準備を命じた。
4人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
デ・ロイテル(プロフ) - 特命さん» ご清覧ありがとうございます。そうでしたか、失礼しました。見つけ次第すぐに対処致します。本当ですか!?ありがとうございます。推敲には力を入れているのでそう言っていただけると嬉しいです。続編の方もよろしくお願いします。 (2018年10月5日 21時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
特命 - 楽しく読ませて頂いています。どこかに「機器」が「危機」になっている箇所と、助詞の「は」が重複して「はは」になっている箇所があったようです。勘違いでしたらすみません。これほどの長さの文章で2カ所だけってすごいです。続き楽しみにしています。 (2018年10月5日 21時) (レス) id: 3f4c6d750f (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - 次で50話ですね。キリ悪い…… (2018年10月4日 0時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
Olivie(オリヴィエ)(プロフ) - デ・ロイテルさん» これからも頑張って!!おうおう、良かった〜……(チャット化しそうなので返信不要) (2018年9月30日 0時) (レス) id: 26b767d003 (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - Olivie(オリヴィエ)さん» いえいえとんでもない!これからも精進しなくては!嫌うなんてないで。三笠と一緒に居れるねんで?ぜーんぜん怒ってへんよ。 (2018年9月30日 0時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:デ・ロイテル | 作成日時:2018年8月12日 0時