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判決 ページ32

大将らは3日足らずで再び赴くことになった。前線が崩壊し、軍法裁判にこれ以上の人間をかける余裕がないのかも知れない。それ以前に、帰って来られる指揮官がいないことも要因だろう。軍令部は今度こそ勝つと頻りに空念仏を唱えているが、これを誤魔化す為に生き残りも帰って来られないようにしていることは容易に予想できたであろう。

大将はすぐに証人台に立って人定質問を終わらせた。いよいよ、判決が下されるにである。

「長くなるので座って下さい」

そうは言われたものの大将は堂々と立ったままであった。大体の人間は座るのだが、これに陸軍派除くものは立派な軍人精神だと少し感心したようである。そんな少しのざわつきもすぐに終わる。統合参謀長が淡々と判決文を読み上げ始めた。

「主文、被告人を終身刑とする。また、階級や勲章なども全て没収する。理由は被告人は第一に開拓民に対して独断で極めて自己中心的な退去命令を行い、第二に同級のものに暴言を言い、第三に中止命令を無視し、第四に自己の無能さのために多数の衛星を破壊したものである。本件は被告人が……した開拓団の強制撤退による威力業務妨害と戦時国際法違反、命令違反、誹謗中傷、器物損壊罪の事案である。船内の記録から計画性の高い犯行であると認められる。犯行動機は敵艦隊を殲滅するためともいえるが、敗北による批判を避けるためという側面も強く到底擁護できないものである。被告人は戦歴長く、今回の事案については違反であることを理解していたと思われ、故意であると言える。よって酌むべき余地はなく軍として危険人物であると言えるため完全なる隔離が必要である」

皆は絶句した――重すぎると思ったものもいたであろう。弁護側はこのような判決になり自身の非力さを呪うような気持ちであったであろう。検察側は1人を除いて海軍の者たちを虫けらを見るように見くだし、表情を崩しながら退出し、統合参謀長も内心ほくそ笑みながら海軍司令長官ヴァンサンとバルサ大将を嘲笑しつつ出て行ってしまった。海軍の者たちは怒り狂ったが決まってしまったものは仕方ない。彼らにはどうにもできなかった。

その後→←軍法会議2



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設定タグ:戦争 , 軍事 , 宇宙   
作品ジャンル:SF, オリジナル作品
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デ・ロイテル(プロフ) - 特命さん» ご清覧ありがとうございます。そうでしたか、失礼しました。見つけ次第すぐに対処致します。本当ですか!?ありがとうございます。推敲には力を入れているのでそう言っていただけると嬉しいです。続編の方もよろしくお願いします。 (2018年10月5日 21時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
特命 - 楽しく読ませて頂いています。どこかに「機器」が「危機」になっている箇所と、助詞の「は」が重複して「はは」になっている箇所があったようです。勘違いでしたらすみません。これほどの長さの文章で2カ所だけってすごいです。続き楽しみにしています。 (2018年10月5日 21時) (レス) id: 3f4c6d750f (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - 次で50話ですね。キリ悪い…… (2018年10月4日 0時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
Olivie(オリヴィエ)(プロフ) - デ・ロイテルさん» これからも頑張って!!おうおう、良かった〜……(チャット化しそうなので返信不要) (2018年9月30日 0時) (レス) id: 26b767d003 (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - Olivie(オリヴィエ)さん» いえいえとんでもない!これからも精進しなくては!嫌うなんてないで。三笠と一緒に居れるねんで?ぜーんぜん怒ってへんよ。 (2018年9月30日 0時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:デ・ロイテル | 作成日時:2018年8月12日 0時

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