惑星ジェーンの戦い2 ページ26
星間級レーダーに何も写っていなかったのに攻撃を受けたジェーンの艦隊は混乱し、散り散りになっていた。群れからはぐれた羊が狼に喰われるが如く分散した艦隊は各個撃破されていった。そんな中
、戦艦アントワーヌを旗艦とした第9艦隊はなんとか艦艇を集め、反撃に向かっていたのである。もちろんそんなことは筒抜けであり馬は面倒くさそうに張艦隊に攻撃命令を出すと侍らせていた芸者と酒を酌み交わしてもっと戦場から離れていくように命じ、大凡戦闘中とは思えないぐらいに寛いだ。
「クソッ! 総司令長官がこんな体たらくでやる気が出るか!?さっさと通信を受け取れ! この豚野郎!」
こればかりは張だけでなく張艦隊の者も皆怒り出した。自分は戦わないくせに他人には当然のように高圧的かつ一方的に命令を下すからだ。前線のものはたまったものではない。
「閣下、前方1万メートルに敵艦隊発見! ジャン=バディスト級戦艦1隻、ラ・ヌール級巡洋戦艦4隻、パリ級重巡洋艦12隻、サンルイ級駆逐艦15隻、ポール級駆逐艦6隻、シャトー級駆逐艦7隻、type6砲艦30隻、級名不明の巡洋艦らしきもの35隻の計110隻です」
「我が艦隊より10隻多いか……うん、いいだろう! 縦陣を組んで全戦隊突撃!」
慣れた艦隊であるが為か駆逐艦隊の時よりも柔軟な移動ができ、あっという間に目標に接近すると一斉に大量の至近弾を浴びせた。敵の対空レーザーも性能はまだまだで1秒も照射しないと目標を無効化できない発展途上国らしい中途半端なものであり飽和攻撃でジリジリと数を減らされた。数が減り出すと一気に減りあっという間に陣形は乱れてしまう。負けじと逃げる振りをして包囲するも中途半端な包囲など張艦隊の攻撃力からしたら寧ろ餌でしかなく更に大損害を出したのである。
「敵重巡洋艦隊壊滅、敵戦艦我が艦に砲撃してきます!」
「こっちは巡洋戦艦ではなく高速戦艦だ! 戦艦とも撃ちあえる! 敵戦艦部隊に中性粒子ビーム砲を叩きつけろ! 何か小細工があっても力でねじ伏せるまでだ! 」
「閣下がそう言うならできるはずだ! 万歳!」
またしても張艦隊は周りが軽蔑し兼ねないくらいに騒ぎだしていつもの如く突進を繰り返した。レールガンとビーム砲の行き交う様はまるでファンタジーの世界のようだった。
4人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
デ・ロイテル(プロフ) - 特命さん» ご清覧ありがとうございます。そうでしたか、失礼しました。見つけ次第すぐに対処致します。本当ですか!?ありがとうございます。推敲には力を入れているのでそう言っていただけると嬉しいです。続編の方もよろしくお願いします。 (2018年10月5日 21時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
特命 - 楽しく読ませて頂いています。どこかに「機器」が「危機」になっている箇所と、助詞の「は」が重複して「はは」になっている箇所があったようです。勘違いでしたらすみません。これほどの長さの文章で2カ所だけってすごいです。続き楽しみにしています。 (2018年10月5日 21時) (レス) id: 3f4c6d750f (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - 次で50話ですね。キリ悪い…… (2018年10月4日 0時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
Olivie(オリヴィエ)(プロフ) - デ・ロイテルさん» これからも頑張って!!おうおう、良かった〜……(チャット化しそうなので返信不要) (2018年9月30日 0時) (レス) id: 26b767d003 (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - Olivie(オリヴィエ)さん» いえいえとんでもない!これからも精進しなくては!嫌うなんてないで。三笠と一緒に居れるねんで?ぜーんぜん怒ってへんよ。 (2018年9月30日 0時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:デ・ロイテル | 作成日時:2018年8月12日 0時