けじめ ３６ ページ37
最下級構成員とは云え仮にもマフィアである織田さんを年端も行かぬ少年少女たちがまともにやりあっているなんて。
結局は織田さんは全く捕まらない様子で子供達と戯れている…が。
驚きで立ち尽くす私を他所に織田さんと子供たちは楽しそうに会話を続けていた。
暫くすると、織田さんは仕事の為後の面倒は頼んだ、と云われ其処で子供達は漸く私の存在に気づいたのかまず一番最初に声をかけて来たのは8歳くらいの男の子だった。
「ねーちゃん、誰？」
それに続くように声をかけて来たのは7歳ほどの男の子だった。
「にーちゃんの彼女だ！」
「おおお…！」
『えっと、』
「すげえ！」
怪訝そうに顔をしかめていた子供達の顔が電球のようにパッと明るくなった。2人の少年が私の腕を掴み部屋へと入れる。女の子に至っては目をキラキラと輝かせている始末だ。矢張りどの年でも女の子は恋バナが好きなんだな…って、
『私は織田さんの彼女じゃないよ』
そう云うと5人の子供はがっかりとした表情を見せた。なーんだとでも云わんばかりのつまらなそうな顔を見せた為慌てて話題を変えた。
『そ、そう云えば、皆先刻の攻撃凄かったよ。将来有望だね』
8歳くらいの男の子がその言葉に反応し、嬉しそうに鼻の下をこすった。
「俺、将来マフィアになるんだ！ねーちゃんはマフィア？」
『うん…一応ね』
私が控えめにそう答えると子供達は顔を上げた。おそらく一番年下の5歳くらいの女の子が私の隣に座った。
「お姉ちゃんは、どんなことをするの？」
「そりゃ、正義のヒーローに決まってんだろ！」
ヒーローって男の人じゃない？と云う突っ込みは相手が子供のためまた日を改めることにする。マフィアが正義…ね。たしかに皆の目から映る織田さんは正義のヒーローそのものだろう。だけどそんなに綺麗な場所じゃあ、ない。
『私はね、お世話になってる上司の人と一緒に戦ったり、サポートしたりしてるよ』
「じょーしって、にーちゃんのこと？」
『ふふ、まあそんなところかなあ』
マフィアがどんなところか、純粋な子供たちにマフィアの残虐さを教える事は私にはできない。しかし私の説明も嘘ではない。人を殺さぬ織田さんのような素敵なマフィアもいる。
「私たち、皆お兄ちゃんに拾ってもらったんだ！」
「だから、俺はにーちゃんみたいなマフィアになる！」
________
「…この建物では鼠と兎の会合でも開かれているのかな？」
「櫻田に会って行かなくていいのか？…太宰」
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nemucan427(プロフ) - 桜雪さんはじめまして！この作品面白くて大好きです お手数ですがパスワードを教えていただけないでしょうか？ (9月1日 21時) (
レス) id: 8afaa5b029 (このIDを非表示/違反報告)
なずな(プロフ) - 桜雪さんはじめまして！とても面白かったですよろしければパスワードを教えて頂きたいです (2023年3月28日 11時) (レス) id: 77590b4a4c (このIDを非表示/違反報告)
アルルの「 」 - 太宰さんの歪んだ愛し方が本当に大好きです・・・！！ (2023年3月13日 1時) (レス) @page41 id: a35ce8017e (このIDを非表示/違反報告)
嶺亜(プロフ) - 桜雪さんはじめまして!!作品とても面白かったです。よろしければパスワード教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2023年2月5日 18時) (レス) @page10 id: be050932d4 (このIDを非表示/違反報告)
霞奈斗(プロフ) - この作品に出会ったばかりなのですが、とても面白く続きを読みたいです！パスワードを教えて頂くことは可能でしょうか...？( ˊᵕˋ ;) (2023年2月5日 8時) (レス) id: c32082b1c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜雪
| 作成日時：2018年3月29日 13時
