けじめ ２２ ページ23
「…でもその過程で殺されたわ、貴方の父は私の父を見捨てたの。
許さないわ、あんなに優しい父を見捨てた貴方の父親を、貴方の一族を___勿論Beoneもね！だからトップを暗殺した。パーティのお誘いが回ってくるように娘のマリアとも仲良くしたわ！
この１年、どれだけ辛かったか貴方にはわかるかしら！？」
彼女は吐き捨てる様に云った後、私の首にナイフの先端を当てる。
彼女の瞳の奥には物凄い殺意が込められていた。
ナイフが当たった部分からは血が出た。
必死に痛みに堪えながら口を開く。
『私は…』
話そうとした瞬間思いっきり船が傾いた。
________
中原の怒鳴り声が室内に響く。
何も云わずに冷めた目で此方を見る太宰にしびれを切らした中原は太宰を殴ろうと拳を作る。
が、その瞬間船が大きく傾き中原達が立っている場所はみるみるうちに浸水する。
中原は大きく舌打ちすると、咄嗟に西野を抱き上げ、太宰と共に船の沈んでない最北端まで移動する。
船は90度傾こうとしていた。
周りは救助のボートやら専用ヘリやらに載っている。
太宰は沈んだ船を見下ろすと、カッと目を見開いた。
「拙い…」
中原はその言葉に背筋が凍った。状況把握ができていない西野と中原は太宰に問う。
太宰は重々しく口を開く。
「Aが恐らく居るのは西エリア…だがこの水温じゃ生きているか…」
ふっと、中原と西野は船の西の方を見下ろす。
其処はすっかりと海水に浸かっており瓦礫が浮いていた。
西野は息を飲んだ。
「オイ、冗談はよせっつの。手前は避難してるのを信じろって云ってただろうが！？」
西野は暴れる中原を必死に宥める。
太宰の顔は青ざめたままだった。
辺りを見回してもAらしき人物はいない。
若しかしたら先に避難したのかもしれない____
否、それだったらどれだけ良かったか。
生真面目な彼女が独断専行をすることはほとんどありえない。
中原は西野の反対を押し切り甲板を乗り出し、Aを探しに行く。
中原は海水を触ると冷たさと恐怖で身体が震えた。
片っ端から探そうにも今は深夜、暗い上に水温もどんどん下がる。
(しらみつぶししてる時間なんてねェよ…)
太宰の脳内は風の動きや海の流れ、Aの行動パターンと大量の情報を組み合わせ現在どの位置にいるか把握しようとするも、確定的な事実が少なすぎる為、どんどん複雑に絡まる。
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nemucan427(プロフ) - 桜雪さんはじめまして！この作品面白くて大好きです お手数ですがパスワードを教えていただけないでしょうか？ (9月1日 21時) (
レス) id: 8afaa5b029 (このIDを非表示/違反報告)
なずな(プロフ) - 桜雪さんはじめまして！とても面白かったですよろしければパスワードを教えて頂きたいです (2023年3月28日 11時) (レス) id: 77590b4a4c (このIDを非表示/違反報告)
アルルの「 」 - 太宰さんの歪んだ愛し方が本当に大好きです・・・！！ (2023年3月13日 1時) (レス) @page41 id: a35ce8017e (このIDを非表示/違反報告)
嶺亜(プロフ) - 桜雪さんはじめまして!!作品とても面白かったです。よろしければパスワード教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2023年2月5日 18時) (レス) @page10 id: be050932d4 (このIDを非表示/違反報告)
霞奈斗(プロフ) - この作品に出会ったばかりなのですが、とても面白く続きを読みたいです！パスワードを教えて頂くことは可能でしょうか...？( ˊᵕˋ ;) (2023年2月5日 8時) (レス) id: c32082b1c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜雪
| 作成日時：2018年3月29日 13時
