お袋と涙 : 2 ページ36
ーーーーそして全てを俺は話し
た。
紀乃のことを話すと視界が涙でぼやけてきた。
ソファに座って泣き顔をヒザで隠してる俺は凄くみっともない。
『ふーん、高校でやっと初恋か〜』
お袋も隣で両膝を抱えて座る。
『でも仗助。男でしょ!そんな泣いてみっともないじゃない。』
そういって俺の涙を拭う。
『別に失恋とかしたわけじゃないし、その紀乃ちゃんに嫌われてるかどうかもわかんないのにそんな泣くんじゃないわよ。』
「だ、だってよーー俺の顔もみてくんねぇし…」
お袋が俺に寄りかかる。
そして目を閉じて言った。
『でも、私もあったわ。ジョセフがいつか私のことを忘れてしまうんじゃないか。私と会ったことが無かったようにするんじゃないかって考えたときがあったわ…』
朋子が俺の手を握る。
『けれど、私が決めたたった一人の愛する人よ。そんなはずない。きっと向こうの国でも私のことを思ってくれてるはず。
私はジョセフを信じた。
だからあんたも自分が決めた愛する人を信じなさい。あんたなら出来るでしょ。』
仗助の背中をトントンと叩く。
『私はあんたをいつでも応援してるから。』
ーーそうだよな…まだ告白もしてねぇのに、嫌われただなんてヒビって。しょうもねぇよ。
「お袋。」
朋子はン?と俺を優しい目で見つめる。
「ありがとう…よ。」
いつも俺の味方でいてくれてありがとう。俺を女手一つで支えてくれてありがとう。
照れくさいから言葉には出来ねぇけど、俺はお袋が大好きなんだ。本当は。
…話してみて、なんつーか、チョースッキリした。
なんだ俺、こんなことでつまづいてたのかよ、って思う。
今なら、勇気を出して言えるかな。
好きだ、って。
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-ポン酢→(プロフ) - あんころもちさん» ありがとうございます!とっても励みになりますー!!これからもよろしくお願いします〜!! (2018年5月8日 18時) (レス) id: 21daf65d6d (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち - 続編おめでとうございます!これからも更新頑張ってください! (2018年5月7日 7時) (レス) id: beb861d356 (このIDを非表示/違反報告)
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