だから僕は、雨ごいを。【Ryusei.F】 (ページ39)

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あれから、余裕がある日はAちゃんからよく連絡が来て

お昼は一緒にひみつ基地でお弁当を食べることが多くなった

今日も朝届いたメッセージにいつも通りあそこで過ごして
まだ残っている空きコマの時間をどこで過ごそうか、なんて考えながら
戻っている途中、だった

『竜生くん、少しお話できない？』

｢…なに。｣

げ、と思ったのも束の間。

後ろから聞こえてきた声は、会いたくない人のもの。

あの日以降、見かけたらなんとなく檜山くんの後ろに隠れたりしてたのに
今日は先に気づいて逃げることはできずに、見事に捕まってしまった。

あれだけ言ったのに、いつまでもこの様子。

思わずため息が出た。

｢悪いけど、別れたのも結構前だし
俺もうしずくに対してそういう感情無いんだってば。

付け回すのもいい加減にしてよ。｣

この前昇降口で待ち伏せしてたのも知ってるんだからね、ストーカーみたいなことしないでよ。

下唇をぎゅっと噛んだしずくの横、通り過ぎようと足を踏み出せば
すごい勢いで右腕を掴まれた

いや、普通に痛いから

『ねえ、！竜生くん待ってって、！』

｢もう俺に構んなって…！！何回言えばいい？！聞こえないの？！｣

『…っ、そうやって、また笠原さんのところに行くの？』

｢、お前に関係無いだろ｣

『あるよ、竜生くん知らないの、！？』

｢なんの話、｣

Aちゃんの名前を出されて、一瞬動揺した

もししずくがあの子に何かしようとしてるなら、って
ちょっと焦って。

どんどん悪くなっていく自分の機嫌に、早くこの場から離れたかったのに。

しずくの次の言葉で、足が止まった

『あの子、＂死に神＂なんだよ！！

もう関わんないでよ！！！』

「はあ、…？」

竜生くんが死んじゃう！なんて
縁起でもないことを言い出してしずくが大声で泣き出すから

周りを歩く人たちの視線が刺さりに刺さって、痛いったりゃありゃしない。

だけど、

「死に神…？」

一つだけ、その言葉が

胸に引っかかって離れなかった。

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