24 drops ページ25
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｢あ、俺そろそろ行かなきゃ｣
ふと横に立てかけられた時計を見れば、もうすぐ次にとっている講義が始まる時間。
｢Aちゃんは？もう講義ないの？｣
A｢あ、私も次行かなきゃ｣
｢じゃあ途中まで一緒に行こうよ、どうせここ出るんだよね？｣
A｢うん、一応鍵閉めなきゃだから。｣
お互い教科書が入った、重いトートバッグを持って出たひみつ基地。
勝手だけど
ここ、他の人に内緒ならもうそう呼んじゃってもいいよね？
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Aちゃんが鍵を閉めたのを確認して、数十分前に通った廊下をゆっくり戻ってく
その間に特に交わした言葉はこれといって無かったけど
なんか、2人で歩いてるこの空間が自分にとっては充分特別で。
それだけでいいって、頭のどこかで思ってみたり。
A｢竜生くん、
わたし、次こっちの教室だから｣
｢あ、うん。それじゃ、また ね。｣
A｢うん、また。｣
��またね��って言葉を伝えるのに一瞬迷ったけど、しっかりAちゃんも��また��って返してくれたことがうれしくて
1人で心の中でした、ガッツポーズ。
俺に向かって控えめに手を振ってから、反対側の廊下へ向かう後ろ姿をちょっとだけ見送って
自分も、と背中を向けたら
A｢り、竜生くん…！｣
｢？！え、俺なんか忘れ物でも、｣
A｢いや、違うんだけど、、｣
思いがけず後ろから聞こえてきたAちゃんの声。
絶対呼んだの俺の名前だし、間違ってないはず、
え、さっきバイバイしたばっかだよね？なんで？
A｢あの、ね…やっぱり、｣
｢うん、？｣
A ｢やっぱり、雨の日 だったら… 、！｣
｢…え、｣
A ｢雨の日でよければ、行きます。プラネタリウム。｣
｢ほんとに？！ほんとにいいの？！｣
A ｢うん、｣
｢よっしゃー！！！じゃあまた今度、連絡します！｣
やばい、最近で1番嬉しいかも
馬鹿みたいに嬉しい、どうしよう。
1人で舞い上がってる間に、またね…！ってAちゃんは戻って行っちゃったけど
真っ赤だった顔、俺は見逃しませんでしたからね
｢うわ、…ほんとに嬉しい、｣
なんか自分の顔も熱くなってきた気がする
…よーし、ふかだりゅうせい、午後の授業も頑張っちゃいますよ！
｢うわやべ、遅れる！！｣
廊下の爆走も、今ならなんてことないもんね…！
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作者名：スイ. | 作成日時：2021年10月1日 20時
