あのね、代わりになるよ

38話 ページ40

僕は鈴芽ちゃんと環さんが自転車で目的地まで行くのを見守ってから芹澤さんに向き合う


『芹澤さん、ここまでありがとうございました。僕も探し物の場所に行きますね』


え、ちょっと？！と後ろから驚きの声が聞こえるが今はそれどころじゃない
昔の記憶を頼りに扉の場所まで走っていく

ついた頃には辺りは暗くなっていた


『ここが僕が昔入った後ろ戸……』


ゆっくりとドアノブをまわす
開いた扉の先は暗く地面が燃えていた
昔はどうだったか覚えていない

けど、今は鈴芽ちゃんもダイジンもサダイジンもいないのだ


怖い思いを隠すために目をつぶって息を吐く

大丈夫だよ、ダイジン……僕が助けるからね

嗚呼おばあちゃんここまで僕の面倒見てくれてありがとう

その想いを文面で綴る

これで心置きなく入ることが出来る

そして足を踏み入れた

体で感じる浮遊感

地面に叩きつけられる覚悟だったが落ちた場所は他のところに比べてまだ草が残っていた場所だ

辺りを見ると見慣れた椅子が刺さっていた

僕は走る

息が苦しい、呼吸がしずらい、足が痛い

そう思っても頭て考えるより体が先に動く

待ってて3人とも

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