【ダイヤのA】大きな背中【男主】

2nd.コーチとトレーナー NO.side ページ8

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容姿端麗、

成績優秀、

おまけに周りからの人望も厚く、

何度かスポーツ雑誌の一面を堂々と飾ったことがある。

そのためか彼を知らない人は、スポーツマンのなかではあまり居ない。





『青道高校野球部OBの、水原Aです。どうぞよろしく』




軽く手をあげながらAはにこやかに笑った。


三年の選手全員は手を震わせ、あがって赤くなった頬を隠すわけでもなく緩める。ずっと憧れてきた人が目の前にいて、今日から一緒に生活するのだ。

二年は三年よりも感動は薄いようだが、レギュラーメンバーに入っている御幸や倉持は三年と同じように高まっていた。





「水原は自分達の代の甲子園を終えてから単身アメリカに渡り、スポーツトレーナーとしての知識を蓄えてきた。

青道での水原の役目はコーチでもあるが、選手を支えるトレーナーでもある。何かあったら頼るといい」




『その"何か"が起きないように日頃から気にかけるのも俺の仕事ですけどね』




はは、と笑いながら付け足すAに周りも小さく笑う。


そして彼は前に並んでる三年のなかの＿クリスに一瞬目を向けた。

Aをずっと見てたクリスは当たり前のようにその視線に気付く。一瞬だけ見られただけなのだが、Aには全てを勘づかれた気がした。




『とりあえず、午後からはコーチとして指導するよ。俺が来たから特別頑張るとかじゃなくて、いつも通りやって』

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