【◇】稲実エースが惚れちゃった (ページ7)

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*成宮side*

てっきり昨日のことがあって今日も先輩を怒らせていると
思っていた俺は、朝先輩から挨拶してくれてめちゃくちゃ驚いた。

本当はそんなに怖くないのかも...？

そんで今日一日先輩のマネージャーの仕事っぷりを
見ていると、二人しかいないこともあって、凄く忙しそうだ。

話しによると、俺らの代からは部の方針で
マネージャーを取らなくなったらしい。

きっといなくなって初めてありがたみが分かるというやつだ。

俺は昨日生意気な態度を取ったことを謝ろうと
練習後、先輩を手伝おうと思っていた。

先輩を見つけると、すでに福ちゃんが横で片づけを手伝っている。

やべっ！！出遅れた！！！

慌てて先輩のところへ行き、俺も一緒に手伝う。
片付けも3人ですればかなり早く片付いた。

『二人ともありがとう、この辺で大丈夫だよ。お疲れ様。』

福「はい、お疲れ様でした！」

成「....っあの---」

吉「お～いA～！！」

昨日のことを話そうとした時、他の人が先輩を呼ぶ。

『よっしー、何？』

吉「今からティーやるから付き合ってくんね？」

『分かった。籠ひと箱でいい？』

吉「おう。これ持ってくか。」

『OK。あ、よっしー、顔に泥ついてる。』

吉「は？どこ、こっち？」

『ははっ、広がった。顔寄せて、タオルでふいてあげる。』

吉「ん。」

なんか目の前で仲良しなところを見せつけられてる気分だ。
なにこれ、この二人、付き合ってんの？

離れていく二人をぼ～っと見ているとカルロスがやってきた。

カ「鳴、整備も終わった。戻ろうぜ。」

成「え？あぁ....。」

カ「なんだよ、如月先輩たちのこと見つめて。
あ、お前気になってんの？？」

成「は！？なんでだよ、そんなんじゃねぇし！！
ただ、あの人あんな風に笑うんだって思っただけ！戻るよ！！！」

カ「(めちゃくちゃ気になってんじゃねぇか...)」

謝ろうと思ってたけど、何かそんな気分じゃなくなった。

てか何さ、昨日俺にはあんな怖い顔して怒っておいて
同じ学年の人にはあんな顔で笑うのかよ。

今日だってもう怒ってないとか言って、
怒ったような顔してたしさ。

あーもやもやする！！！

こんな日はひたすらバットを振るに限る。

その前に腹減ったから飯！！！

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『(そういえばさっき成宮が何か言いかけてたような...
いや、昨日の今日で私に話すことなんか何もないか。
怖がられてるし、感情ないやつって思われてるだろうし。)』