【◇】稲実エースが惚れちゃった (ページ41)

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きついきつい冬合宿も終わり、みんなは満身創痍だ。
さすがに去年経験した2年のみんなも、最終日と
なればクタクタになっている。

明日からは年末年始の連休が始まる。
寮生もこの休みだけは全員実家に帰るように
決められているので、寮には誰もいなくなる。

　『はい、ドリンク。みんなお疲れ。』
吉「サンキュ。あー身体きちぃ～。」
平「さすがに1週間続くとね。」
原「もう身体バキバキだな。」
平「今年もみんな家来る？」
吉「おう！集まろうぜ！！」
　『翼くんの家がよければ行きたい。』
平「家は大丈夫だと思うよ。」
原「じゃあ明後日くらいにするか？」

去年もみんなで翼くん家にお邪魔した。
みんな東京に実家があるのですぐに集まれる。

ゲームしたり、ご家族がごちそう用意してくれたり
一日家にお邪魔していた。
そして何より、めちゃくちゃ可愛いわんこがいる。
柴犬の男の子で、私はとりあえずそのわんこに会いたい。

合宿が終わった次の日に、みんな一斉に帰省するので
私がみんなと年内に会えるのは今日で最後だ。

練習の後片付けに加え、いつもよりいろんな所を
念入りに掃除をする。
新年、気持ちよく練習を始めれるように、
部員全員で最後の大掃除。

掃除も粗方終え、最後に監督、部長も加えて
ミーティングをして本日は終了。

今年も誰も大きな怪我がなく済んで本当に良かった。
来年は最後の夏が来る。
目指すは全国制覇。
新しい1年生も加入し、部も活気づくはずだ。

成「A先輩、年末年始何か予定あるの？」
　『基本家にいるよ。少しは出かけたりするけど。』
成「1日俺の買い物付き合ってくれない？野球の練習で使うもの
　いろいろ買い足したいんだよね！」
　『カルロス達と行けば？』
成「なんでさ！俺はA先輩と行きたいから誘ってんのに！！」
　『もう分かったよ。』
成「よっしゃ！じゃあまた日連絡するねー！」
　『はいはい。』

相変わらず嵐のような男だ。
まあ実際の所、私も成宮と出かけることに
そんなに悪い気はしていないので、良しとしよう。

そういえば、この間成宮に告白した女の子に
気をつけろとカルロスと白河に言われてから
一向に何もない。
冬休みに入っていることもあるかもしれないが
何もなければそれが一番。

各部員と、また来年と挨拶をしながら帰る準備をする。
みんな疲れてるし勝手に帰ろうとしたら、雅に怒られた。