【◇】稲実エースが惚れちゃった (ページ17)

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*主人公side*

まずった、非常にまずった。
成宮にいきなり図星をつかれて、思わず態度に出してしまった。

バスに戻ると、ほとんどの部員が集合していて
そろい次第出発する状態だった。

私は雅の横に座り、後ろによっしーと翼くん。
あとから戻ってきた成宮は少し離れたところに座っている。

原「A、鳴と何かあったのか。」
　『え！？...なんで？』
原「後ろからすげぇジト目でこっち見てんぞ。」
　『...気づかないふりしといて。』
原「...先輩に告白でもされたか。」
　『はっ？何で知ってんの！？』
原「やっぱりか。」
　『雅ともあろう男が、鎌かけたな？』
原「前に聞かれたからな。お前に彼氏とか好きな奴いねぇのかって。」
　『まじか。』
原「いないんじゃないですか、って答えただけだけどな。
　で、返事はしたのか？」
　『まだ。甲子園終わったら聞かせてほしいって言われた。』

雅と話していると、背もたれがぐっと後ろに引かれた。

吉「何二人で面白そうな話ししてんだよ！俺らも混ぜろ！」
平「そうだよ、A、詳しく！」
　『もうっ、こんなに小さい声で話してんのに
　どんだけ聞き耳たててんのよ！』
原「お前ら、まだ試合続くんだから話し大きくするなよ。」
吉「分かってるって！」
平「俺たちの中だけ、な！」

最悪だ。
こいつら絶対楽しんでる。

学校へ到着すると、寮に用意されていた豪華な食事で
みんなでわいわいと祝賀会が始まった。

私は基本、雅たちといるか雪先輩と話すかのどちらかだが
一定の距離で感じる、成宮の視線。
ああ、一体これはどうすればいいのやら...。

*成宮side*

寮に戻って祝賀会が始まるけど、A先輩のことが
気になって気になってしょうがない。

告白されたことを言い当てたときの表情。
あれはどっちの表情だ？

カ「せっかく優勝したってのに、何でそんな顔してんだよ、鳴。」
成「別に！？元からこんな顔ですけど！」
白「うそつけ。」
カ「また如月先輩のことだろ？」
成「なんでA先輩のことってわかるんだよ。」
白「帰りのバスからずっと如月先輩のこと見てるだろお前。」
矢「分かりやすいからな。」
成「なんか、ムカつく....！」
矢「いい加減認めろよ。」
成「なにを？」
カ「如月先輩が好きなんだろ。もちろん、一人の女としてな。」
成「........。はぁ？？」
矢「まじで自覚ないんだな。」
カ「坊やだからな。」

なんて？
俺がA先輩を、好き？？？

え？