【◇】御幸一也の姉ちゃん (ページ46)

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新キャプテン3 ページ46

『そういえば倉持くん、一也がキャプテンになったって
聞いたんだけど、副キャプテンは倉持くんだったりする？』

倉「はい、俺ともう一人今横にいるやつです。
ゾノ、お前もなんか喋れ。」

前「ええ！？俺話したことないで！？
1回遠目で見たことある、あのめっちゃ美人な人やろ！？」

倉「いいから、ほら！」

美人だなんて。嬉しいこと言ってくれるじゃないか。
一瞬の沈黙の後、元気な関西弁がきこえてきた。

前「ま、まままま前園健太です！
御幸のお、おおおおお姉さん、初めまして！」

倉「ヒャハハ、お前、どもりすぎだろ！」
沢「ゾノさん、そんな構えなくてもお姉さん、
すげぇ優しい人なんで大丈夫っすよ！」
御「やべ、笑いすぎて腹痛ぇ....！」

3人がそばで大笑いしている声が聞こえる。

前「うるさいわ！会ったことない人といきなり
電話するとか、普通に緊張するやろ！！！」

わちゃわちゃと楽しそうにしている高校球児たち。
なんて可愛いんだ。

『前園くん、はじめまして、一也の姉のAです！
さっき倉持くんから聞いたよ、前園くんも、
副キャプテンなんだよね？一也のことよろしくね。』

前「は、はい！任せといてください！！」

これまた元気いっぱいの、真っ直ぐないい子だ。
電話越しには、沢村くんと一也が何やら話してる声が聞こえる。

『ごめん、もう一度倉持くんに代わってもらえる？』

前「わかりました！」

倉「代わりました、倉持っす。」

『あ、倉持くん呼び出してごめん。』

倉「いえ、どうかしたんですか？」

『倉持くんと何回か話した私の勘だけどさ、
倉持くんって人のことよく見てるでしょ。』

倉「そう...ですかね？」

『うん、だからね、一也のことよろしくお願いね。
あの子、思ってること何でも言っちゃうでしょ？』

倉「あ～、、、...ですね。」

『ふふ、ほら。きっと言葉足らずだったりで
他の部員の子とぶつかったりすると思うからさ。』

倉「それ、すげぇ想像できます。」

『でしょ？だから倉持くんみたいな人が
隣にいてくれたら、凄く安心なの。』

倉「わかりました。ふらふらしてやがったら
後ろからケツ蹴り上げときます！！」

『うん、そんな感じでよろしく！』

倉「御幸に代わりますか？」

『いや、ほとんど話し終わってたからいいよ。』

倉「わかりました、じゃあ、失礼します！」

あんな悔しい試合からまだ1週間ほどしか経っていないのに
みんなは元気にもう次へ向かっている。
頼もしい高校球児たちだ。