【◇】御幸一也の姉ちゃん (ページ44)

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新キャプテン1 ページ44

激闘の決勝戦が終わり、一週間が経った今も、
一也からの連絡は未だない。

そろそろこっちから一度連絡してもいいかな、
どうしようかな、とあれこれ考えていると
珍しく電話が鳴って、着信相手は「御幸一也」の文字。

私はスマホに飛びつき、慌てて電話に出る。

『も、もしもし！？』

その時、焦りすぎて小指をベッドの角にぶつける。

『い”っ！？いったあああぁぁぁ！！！！』

一也「ちょっ、姉ちゃんどうした！？」

『こ、小指ぶつけた.....』

一也「大丈夫かよ、会話早々お転婆な姉ちゃんだな。」

『だって、一也からの連絡待ってたんだもん。
そりゃ慌てて着信取りもするっての。』

一也「あー、、、連絡してなくて、ごめん。」

『ふふ、いいよ。....決勝戦、残念だったね。』

一也「ああ。...先輩たちには悪いけど、俺はあと1年ある。
もっと強くなって、リベンジするしかねぇよな。」

『前向きでよろしい。』

どうやら、すでに気持ちは前へ向かってるようだ。

一也「にしても、鳴のやつ、やっぱ強ぇわ。」

『今日から甲子園始まったね。決勝戦のあと、久々に鳴くんと
少し話したよ。相変わらずAちゃんAちゃんって
言ってくれて可愛かった～。』

一也「え？まじで？俺には会わずに帰ったのに？」

『だって一也、あの時は会いたくないかなって思って。』

一也「さすがに笑ったり愛想よくは無理だったろうけど。
会ったら応援の礼くらい言おうって思ってたよ。」

『え～そっかぁ、じゃあ一瞬だけでも
会いに行けばよかったかなぁ。』

一也「てか、実の弟より鳴のこと優先するとか
ちょっとムカつくんだけど。」

『優先したわけじゃないよ、偶然見かけたから声かけたの。
もう～、拗ねるなよ～～♡かわいいやつめ。』

一也「拗ねてねぇよ！」

誰がどう聞いても拗ねていると思う。
まだまだお姉ちゃん子の可愛い一也も健在のようだ。
今の会話で、当分私の活力になること間違いなし！

『しょうがないから、そういうことにしといてあげる！
で、新チームはどう？もう始まってるんでしょ？』

一也「みんな、それぞれ前向いて頑張ってるぜ。
あ、俺キャプテンになったから。」

『そっか～、すごいねみんな。....え？なんて？』