【◇】御幸一也の姉ちゃん (ページ30)

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青道ページ30

私は大学4年生となり、一也は中学3年生となっていた。

大学4年と言えば、就活だ。
かなりの長期戦を覚悟していたが、運よく行きたい会社に
内定をもらうことができたので、一安心。

都内の会社ではあるが、職場に近い方がいいので
来年4月からは初めての一人暮らし。
高校から大学の間に必死にバイトで稼いでおいてよかった。

野球を続ける一也の行く高校によっては、
まだまだ多くのお金がかかる。
私の分まで二重にお父さんに負担をかけるわけにはいかない。

ちなみに内定をもらった後、一也がご馳走を用意してくれた。
ますます料理の腕を上げている一也。

お父さんからは、お祝いにと腕時計のプレゼント。

CITIZENの私が欲しかったデザイン。
10万円くらいする時計だ。
最初はこんな高価なもの、貰っていいのかと
なかなか受け取れなかったが、これまでたくさん苦労を
かけてきたから受け取ってほしいと言ってくれた。

苦労なんて、思ったことないのに。

ちなみに、私が就職後にお給料を貯めて買おうと、
時計のパンフレットに付箋を貼っているのを
一也が見つけて、私が欲しかった時計を
お父さんが買ってくれたそうだ。

一也、素晴らしいリサーチ力。

一也の進路については、青道高校に決まった。

最初に声をかけてもらったのもあるし、何より
強いチームですごい人たちと野球をやってみたいとのこと。

お父さんはてっきり稲実に行くと思っていたらしい。

一也なりにいろいろ考えて、青道に決めたようだ。
ただ、青道に行くなら寮に入ることになる。
私も来年から家を出るため、寮に入ればお父さんが
一人になってしまうことを一也は気にしていた。

なんっっっって、いい子なんだ一也。
姉ちゃんは誇らしよ。

ただ、その点に関して、お父さんは私たち二人に
気にしなくていいと、言ってくれた。

そう言ってはくれてるものの、少し心配ではあるので
私は遠くに行くわけではないし、ちょこちょこ帰るつもりだ。

追々、一也から話を聞くと、どうやら鳴くんに
一緒に稲実に行かないかと誘いを受けていたらしい。

だけど、鳴くんが集めたメンバーと戦いたいからと
お断りしたそうだ。なんとも一也らしい考えだ。

同じ東京西地区のライバルとなる二人。
強豪校同士、青道と稲実があたることもあるだろう。

これからも二人の試合を見られることが、
今から楽しみだ。

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会話0ですみません。さくっと話し進めるためにこうなりました。