【◇】御幸一也の姉ちゃん (ページ26)

今日:20 hit、昨日:71 hit、合計:46,461 hit

江戸川シニア1 ページ26

一也も小学校を卒業し、私は大学2年生になった。
ちなみに私の通う大学は都内のため、実家から通っている。
私が就職のタイミングで、一人暮らしを始めようか検討中だ。

一也はというと、中学入学と同時に、江戸川シニアへ入団。
相変わらずの野球好きで、キャッチャーとしても益々成長中。

監督さんには入団当初、肩が強いのでピッチャーも
どうかと話しを持ちかけられたらしいが
キャッチャーしかやらないとお断りしたそうだ。

私もバイトがない日は、一也の試合を見に行くようにしているが
素人が見てもわかる、他の子とのレベルの差。

我が弟ながら、やはり天才なのでは？？？
こんなことを言いつつも、一也のプレーが
まぐれではないことを、私が一番よく知っている。

練習がない日も自主練をかかさず、バットを振らない日はない。
一也は＜本気で＞野球をやっているのだ。
だから私も、一生懸命応援やサポートをしたい。
この先同じ志をもつ仲間と出会えれば、きっと甲子園も夢じゃない。

江戸川シニアでも、キャッチャーとしてレギュラーを
獲得してからしばらく経った頃---

一也「ただいま～。」

『おかえり～。今日は遅かったね。』

いつものテンションで帰ってきた一也を迎えると、驚愕。

『ど、どうしたの！？その顔の傷！！？』

「いやあ、ちょっとチームの先輩とね～」

『とりあえず、そのままお風呂入っておいで。
傷口絶対こすっちゃだめだよ。洗えるところだけね。』

「は～い。」

どうやったらあんな風に顔に傷がつくのか
深く考えなくても、すぐにわかる。

何が原因で、喧嘩になったんだろうか。
いや、一也のことだ、野球で大事な手を喧嘩に
使うような子じゃないだろう。

となれば、一方的に殴られたのか....。
相手は先輩と言ってたし、何か一也が気に障ることを
言ったのかもしれない。.....ありえるな。
野球のことになると、言いたいことを言うタイプなので
大いにあり得る話だ。

ともあれ、まずは手当てをしてあげないと。