バレンタイン4 ページ23
*お姉ちゃん目線*
キャッチボールへの誘い出しに成功した私。
その前に夕飯を作り終えようとせっせと作っていると
何も言わずに手伝ってくれる一也。
なんていい子なんだ。
一人でご飯を作れるようにもなってるし、いい旦那になりそうだ。
だがしかし、変な女にだけは、絶対にやらん。
一通り夕飯の支度が終わり、お互いグローブを
持って家の庭に出る。
『一也とキャッチボールするの、久々だね!』
一也「俺、めっちゃ上手くなってるよ。」
『知ってる。高校生になってから時間できたもん。
どれだけ私が一也の試合見に行ってると思ってんの。』
会話をしながら、軽く投げあう。
いや、まじだ。
とんでもなく上手くなっている。
コントロールに球の強さ、私が一番取りやすいように投げてくる。
やはり、この子、天才なのでは???(いつかの台詞)
昨日は機嫌が悪く、今日の朝もあまりなおっておらず
思い切ってキャッチボールに誘ってみたが、正解だったようだ。
自然に一也に笑顔が戻ってきた。
やっぱり、一也にとって野球は特別なようだ。
ある程度のところで切り上げて、お腹も空いたし
夜ご飯を食べるために家の中へと戻る。
お父さんも一緒に食べようと誘ったが、急ぎの仕事が
まだ終わっていないらしく、あとで食べるとのこと。
仕方ない、ご飯と一緒にチョコもテーブルに置いておこう。
一也と夕飯を食べ終え、一也にチョコをあげる時がやってきた。
『はい、一也の分!』
「.....ありがと。」
やっぱりどこか沈んでいる一也。
『今年も自信作だよ、食べて食べて。』
「うん、うまい....。」
『もう!美味しいならもっと美味しそうな顔して食べてよ!』
私はそう言いながら、一也のほっぺを左右に引っ張る。
「ねえひゃん、いたひ.....」
『言っとくけど、一也とお父さんの分は、毎年去年のものより
美味しいもの作ろうと思ってめっちゃ時間も愛情も込めてるんだよ?
仲良くなって1年も経ってない彼氏より、よっぽどね。』
「....そうなの?」
『当たり前じゃん!言っとくけど、彼氏できようが
私の中で優先順位1番が一也なのは変わらないから!
今日だって、一也の喜んだ顔見たくて早く帰ってきたんだよ。』
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一也がキャッチボールで笑顔になっていったのは、大好きなお姉ちゃんと一緒に久々にキャッチボールができたからです。そんな素敵な理由を、姉:Aは知る由もなし。知ったら喜びで発狂してしまいます。
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作者名:mari | 作成日時:2022年7月26日 0時