＊49＊ ページ49
？side
「今日の仕事だ。
今回は電車にひかれて亡くなった若い女性だ。」
？「お気の毒に…」
そんなことを言いながらその人の名簿を受け取った
渡された名簿を見て、私は驚いた
そこにはいつしか見た顔と、いつしか見た名前
顔つきも少し大人っぽくなって
名前の名字も変わっていた。
でも私は、それを見て一瞬で分かった
？「ユキ…」
不思議なことに
彼女の死因、
亡くなった日時、
これがあの時の彼らと全く一緒だった。
わざと死んでしまったのかと疑ったが
彼女を見る限りそんなことはないようだ。
そして彼女の未練がまためんどくさい。
ずっと一緒にいた家族でもない。
心に寄り添ってくれた彼女の先輩たちでもない。
愛してくれた夫でもない。
じゃあ誰？
それは
あのなつかしい
グクとテヒョンだった
もう亡くなっている人に未練がある人は
基本的に、最後にお墓参りに行く。
とか、仏壇に手を合わせる。
とかなんだけど
私はそれらを彼女に提案しなかった
ユキ、グク、テヒョン。
この３人はいつもお互いのことを思っていた。
ましてや、彼女はあれから１０年も経つのに
１０年間、死ぬ直前まで彼らを思っていた。
そんな彼女にもう一度
最高の笑顔で笑って欲しかった。
もう一度
グクとテヒョンに会わせてあげたかった。
だから私は、彼女にこう質問をした
？「ねぇ、ユキ
あなたはこの短い人生、幸せだった？」
「もちろん！」
「すっごいすーーーっごい、幸せだったよ‼」
私はこの言葉を聞いて決心した。
彼女にチャンスを与えようと。
彼女を１０年前のあの日に
記憶を消して戻してあげようと。
なぜなら彼女なら
あの日の彼らを助けてくれるような気がしたから。
また次にここに来たときに
さっきと同じように
幸せだったよ。
って言って笑ってくれそうな気がしたから
？「あーあ、これで私はこの仕事クビね。
本当は人生をやり直しさせちゃいけないのよ。
まああの子が幸せになってくれるなら
クビくらい良いんだけどさ。」
あんなに素敵な人に始めて出会ったんだもの。
，
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 875人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆずき(プロフ) - 本当に最高でした。 (2022年7月23日 21時) (
レス) id: 2a9ae59ee6 (このIDを非表示/違反報告)
くる(プロフ) - 久しぶりにめっちゃ泣きました 続きが見ていたいです！ (2020年6月2日 9時) (レス) id: 26ef12c15f (このIDを非表示/違反報告)
YGfamily_Kokoro - 生きている限り必ずしも終わりは訪れるもの、でもそれがいつ来るか何て誰にも分からないこそ今を精一杯に生きて人生の終わりに“幸せだった”と思えるように私もこれからの人生を生きていきたいと思いました。素晴らしい作品をありがとうございました！ (2019年2月20日 0時) (レス) id: 5a0264ec65 (このIDを非表示/違反報告)
YGfamily_Kokoro - いつも通りな日こそ幸せなことはないということ、当たり前な日々が永遠に続くとは限らないからこそ今を大切に生きていかなければいけないということを学ぶことができた作品でした。 (2019年2月20日 0時) (レス) id: 5a0264ec65 (このIDを非表示/違反報告)
cooky - 最初、涙目になりながら前編を読んでいて後編をみて、まだ半分しかみてなかったのに号泣しました。 本当に、素晴らしい作品でした(T∀T) (2019年2月12日 19時) (レス) id: 13ad5ea90e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マリー | 作成日時：2017年10月20日 20時
