心 × inar

怖い夢 ページ33

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伊｢だいちゃんっ、起きて、だいちゃんってば！！｣

有｢…っ、…ゃ､…｣





最近、ほぼ毎晩魘されて苦しそうな大ちゃん…。

この前は例の " お兄ちゃん " が夢に出てきた。






伊｢だいちゃん！！ねえ、っ、だいちゃん起きてって！！！｣






嫌だけど、頬を軽くペシペシと叩いて起こしてみる､､

…それだけ、今回の魘され方は尋常じゃない…。







有｢…うぁぁあああっ！！！……やだ！いやｯ､｣

伊｢だいちゃんっ！？、…だいちゃん、しっかりしてっ！！｣

有｢…っ、…い、のちゃ…ｯ｣

伊｢うおっ、と…っ、大丈夫。…大丈夫だからね｣








飛び起きた大ちゃんは、まだ夢と現実の狭間にいるのか…
オレにしがみつきながらも、暴れて何かから逃げようとする。






有｢い、っ、…やだｯ！いのちゃっ…たすけｯｯ、｣

伊｢だいちゃんっ、大丈夫だよっ！？怖くないからね、…｣

有｢、…ひっく…､､｣





背中を擦りながら、大ちゃんと呼吸を合わせてやって、少しずつ落ち着かせる…。





伊｢…だいちゃ､｣

有｢っ、こわいゆめ、みたっ…、｣

伊｢そっか、｣

有｢しらない、おとこのひとっ…ふたりに、つれてかれるの、…っ、｣







……多分、だけど。

過去の両親への恐怖そのものが、形となって夢に出てきたんだろう





有｢…っ、そのあとっ、うごけなくなっちゃってね、く、っ…くび、なくなっちゃ、…っっ、！！｣

伊｢ごめん、だいちゃん、もう話さなくっていいからね、怖かったね…っ、｣

有｢しんじゃう、って、おもってっ…｣








……殺 される夢って…現実世界では何かから吹っ切れるとか、なんかそんな意味があったような気がするけど…。


大ちゃんの場合、どうなんだろう、、

単に、何かストレスが重なってそういう夢を見ちゃうこともあるんだって、前に大ちゃん担当の精神科医が言ってた。








伊｢………、｣

有｢いのちゃんっ…いのちゃ、…っ｣







大ちゃん、幸せな夢を見せてあげられなくて…ごめんね…、

…悔しい
オレの何かが足りなくて、至らなくて…。


だから、感じなくてもいい恐怖とか寂しさを感じさせちゃうんだ。







有｢…ひっく、…っ、いのちゃ、ｯｯ…いっしょ、ずっと、ｯ……ひとり、しないでっ、、｣

伊｢………しないよ、絶対。こうしててあげるから、安心してね、｣







大ちゃんの根底にあるのは、…寂しさ、悲しさ、恐怖。



…オレなんかに、救う事が出来るのかな、



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