近くて遠い Daiki.A

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今日は7月5日。



あ、もうすぐ七夕だ。



天の川ってどこに行ったら見えるのかな？






‥じゃなくて。






前任者が退職したわけでもないのに、
こんな中途半端な時期に、急に担当が変わるなんて。





偶然、なわけないよね。





.






「有岡さん、昨日本当に楽しかったんです。良かったらまた今度、みんなでご飯でも行きませんか？」








って、早い！



こんな高速タックル見たことないよ。









有岡「あー、今ちょっと仕事立て込んでて忙しいから、また今度な」









って、なによ。



有岡もニコニコしちゃってさ。









あー、もう。

なにこの展開。








これから毎日これを見せられるわけ？









「じゃあ〜、LINEのID書いときますね♡連絡ください♡」






「このメモ一枚もらってもいいですかぁ？」






「あっ！このペン、かわいい〜♡」









あーーーーーー‥、



うるっさい！









バンッ！！









『あのさー、もうちょっと静かな声でしゃべってくんない？気が散るから。』









手に持っていた顧客資料をデスクに叩きつけたら、

思いのほか大きな音が出た。





目を丸くして驚くステキ女子と、


なぜか、ニヤッと笑った有岡。









「えぇー、こわぁい」




有岡「あの人怒らすと怖いからね。仕事したらさっさと帰ってね」




「はぁ〜い」









有岡に促されて、出ていった彼女。







なによなによ。


私だけが悪者みたいに。





.






『シゴトヘラシテアゲヨウカ？』







こんなに感情の入ってない声だしたの久しぶりだわ。






「また今度な」ってことは、行くつもりがあるってことだもんね。



こういうところがかわいくないってことは、自分でもよくわかってるけど。



「行かないで」なんて、言う権利もないし。






単なるヤキモチ。


自分でも嫌になっちゃう。









『私、今空いてるから、忙しいんだったら本当に仕事まわしてくれていいよ』







深呼吸をして、少し冷静になって、

同僚として提案するつもりでそう言った。





そしたら、








有岡「俺も今、全然忙しくねーし」









なんて言うもんだから、









また、



好きになっちゃうじゃないのよ‥







.

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