近くて遠い Daiki.A

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有岡「アポとるとき、俺が動けそうな時間にしろよ」



『なんで？』



有岡「だから、俺もいっしょに行くって言ってんじゃん」



『だからなんで？』




薮さんが心配してた件はわかるけど、

研修中の新入社員じゃあるまいし、
まして、ただでさえ忙しい有岡についてきてもらうなんて。




『大丈夫だって』



有岡「なんかあってからじゃ、おせーだろ」



『窓開けてやるし』





いつもなら、

「お前を口説くやつなんていんのかよ」とか言いそうなのに。





有岡「とにかく、一人で行くなよ、絶対に！」



『‥はい。わかりました。』





こんな有岡は初めてで、

でも、誰かが心配してくれるっていうのは、やっぱり悪い気はしなくて、

私も、素直に受け入れることにした。



.



『はい‥、では現地集合ということでよろしいですね。はい。よろしくお願いします』




電話を切ったあと、

自分と、送られてきた有岡のスケジュールにも予定を書き込んで、

有岡に返信した。




「よろしくお願いします」




と、ガラにもない一言を付け加えて。




.

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