近くて遠い Daiki.A

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私たちより2つ先輩の薮さん。


背が高くて、イケメンで、仕事ができて、物知りで‥


バリバリ仕事をこなすエリート営業マンだけど、

ふにゃりと目尻を下げて笑う、独特の柔らかさの持ち主で、
そのギャップに、多くの女子社員たちが虜になるのもよくわかる。



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『痴話喧嘩じゃありません。ただの言い合いです』





有岡に、ふいっとそっぽを向いてそう言うと、

薮さんは、まるで小さな子供をあしらうように、「はいはい」って私の頭に手を置いた。





『薮さんに頭ポンポンしてもらっちゃったー。ラッキー』



薮「なんでラッキーなんだよ。相変わらずおかしな奴だな」



『次は壁ドンよろしくお願いします』



薮「したことないわ」



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営業さんが物件を売ったお客様のなかで、
リフォームが必要な物件を、私たちが引き継ぐシステムになっている。


だから、顧客情報や物件情報などの共有も含め、
営業部は私達にとって、とても密な部署である。


必然的に、営業さんたちとも仲良くなるわけで、仕事以外の時間には、世間話をすることも大切な仕事だと思ってるのだけど‥




有岡「戸建てですか？マンションですか？」




なぜか有岡は、私達の話を遮って、
薮さんが持っていた資料に手を伸ばした。




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