盗み_23 ページ24
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そうだ、此処には彼が居たんだった。
うわァ…すっかり忘れてた……
探偵社の仕事初日の疲れを押し付けるように包帯くんに溜息を一つ送ってやる。
『 ただいま、仕事をサボった包帯くん 』
「 おかえりィ、A 」
そんな私のこと等露知らず、否、態と知らないふりをしているのか、彼の機嫌の良さに若干の怒気を抱く
まさに語尾に はあと が付きそうな程の猫なで声と満面の笑みを浮かべる包帯くんに厭でも昨夜の出来事を思い出してしまう。
「 ねぇねぇA〜 」
猫のように擦り寄ってくる包帯くんに対して私と云うと猫アレルギィでもないのにサーッと血の気が引いて青ざめていた。
最も、心理的反応のアレルギィでは包帯くんが抜擢だが
怖い怖い、
包帯くんを引き剥がし、部屋の隅へ逃げる。
彼の其の様子からまさかと思い、ビクビク震えながら乍ら尋ねてみる
其れはもう生まれたての小鹿宛らに。
『 包帯くん、まさか今日もやるとか云わないよね……? 』
私の様子を見てのことか、包帯くんは更に笑みを深め、
「 うふふ、逃げないでくれ給えよ?A 」
『 頼むから寝かせてくれないかな、
僕もう事務作業でへとへとなのだけど 』
受け入れられない周知の事実に思わず感情が左右へ傾く。
所謂、情緒不安定と云うものだ。
連日連夜に及んで無茶なことを云いだす彼は裏社会に居れば確実に " イジめる側 " につくだろう
望んで入りそうな勢いだ。
包帯くんの趣味はイジめることだと豪語しても間違いではないと思う。
まァそんな彼が先刻の私の問いに否定する筈がないのは自分でも分かっていた
こういう人だもの、仕方がない。
「 そりゃあ善い、
赤面するAの可愛い顔はさぞ目の疲れをとってくれるだろうねェ 」
『 疲れてるのは僕なんだけど!! 』
前言撤回、
矢張りこの男は嫌いだ。
仕方ないでは無理がある。
この口論の間にも包帯くんは昨夜同様にジリジリと迫り寄ってくる。
「 命の恩人の云うことは聞くものだよ? 」
『 其れ、昨日も聞いたよ 』
逃げ場のない隅へやってきた包帯くんの手に持っていたモノは_____、
『 なっ……!
_____ "
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オズ - dGAzIwL2bmd18Yxさん» うあ…嬉しすぎるお言葉……ありがとうございます!!!頑張りますね!!! (2022年7月13日 20時) (レス) id: 1d6204a61d (このIDを非表示/違反報告)
dGAzIwL2bmd18Yx(プロフ) - もう、やべぇ、、(文才が天才過ぎて語彙力が4にました)面白過ぎます‼︎続編の更新も楽しみに待ってます (2022年7月11日 1時) (レス) @page50 id: d1624c287f (このIDを非表示/違反報告)
オズ - *深音*(みおと)さん» ああああありがとうございます!!最終回まで頑張って書きますね!! (2021年8月18日 12時) (レス) id: bf4e4a8e9b (このIDを非表示/違反報告)
*深音*(みおと)(プロフ) - すっっごい好きです…(語彙力皆無)更新頑張ってください! (2021年8月18日 0時) (レス) id: 2e41216803 (このIDを非表示/違反報告)
オズ - テレタビーズ教さん» ありがとうございます!!これからも良いものが書けるように頑張ります!! (2021年8月4日 17時) (レス) id: 886aed0c44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オズ | 作成日時:2021年7月25日 18時