命をも盗む大怪盗 【文スト】

盗み_14 ページ15

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貴方side



やけに薬品の香りが鼻を擽るものだから目を開けてみればそこは廃と化した家でも滞在していた旅館でもなかった。



何処だ、此処は



天井を見詰め乍ら答えなど出す気もなく考えていると、横からよく聞く声がした。





「 やァ、お目覚めかい？」





『 否、未だ寝ているよ 』





理由は簡単、私が未だ眠っていたいから！





「 それじゃあ君が寝ている事を機にあんなことやそんなことを 」


『 あーやっぱり起きているよ、ほらもうビンビンに起きてる 』





何を云い出すと思えば人間として危うい事を云い出したのでもう起きる事にした。



其の思考回路でよく眠っている間に私を襲わなかったよね、ホントに



身体を起こしてみれば、怪我はすっかり治っているようだった。





『 僕、何日寝てたかな？』





あの重傷っぷりを完治させるには相当な期間を要する筈……と思っていたが





「 うーん、半日かな？」





なんと、半日だって


どれだけ頑丈なんだろうね、私





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〜 お喋り時間(タイム) 〜



貴方 『 包帯くんに一つ訊きたいのだけど、』


太宰 「 何だい？何でも訊き給え！」


貴方 『 ずっと僕の隣に居たんだよね？』


太宰 「 そうだね 」


貴方 『 目が覚めるまでずっと？』


太宰 「 勿論！寝る間も惜しんで待っていたよ！」


貴方 『 マジで？』


太宰 「 勿論、今の発言に嘘はないよ 」


貴方 『 眠っている僕に何もしてないよね？』


太宰 「 ………。」


貴方 『 包帯クン…？』


太宰 ( 実はちょっとだけ頬っぺたぷにぷにしてた )





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