盗み_13 ページ14
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動けない…!?
「 残念だが、この怪盗は貰ッてくぜ 」
貰ってく?
それじゃあまるで私が眼中にないみたいじゃないか
戦っていたのは武装探偵社だけだと云いたいのかな?
否、違う
私はこの二組織を利用して逃げるんだ!
其の、為なら…
既に視界も危ぶまれている状態でどう逃げようと云うのか、相手は黒の住人
勝っても武装探偵社が居る。
でも、私は持っていた。
この場から逃げ出す、
絶対に使いたくない " 切り札 " を___。
『 貰っていく?
笑わせないで欲しいな、僕は未だ新しい家も探さないといけないんだ 』
「 ふんッ、この状況からどう逃げるってンだよ
異能力でもなけりゃ………真逆、」
笑う余裕そうな顔がみるみるうちに青ざめていくのを見てる此方は大層面白い
こんな状況だと云うのに何故か私は笑っていて
『 ___異能力 " 一寸の夢 "__ 』
途端、重力操作によって広間で宙に身を浮かばせていた私の姿は消失し、代わりに捨てられた空き缶が浮いていた。
「 何ッ?!」
「 き、消えた…?」
必死になって私を探す声を聞いて、私は心の中でほくそ笑んだ。
成、功……!
かくして私は美術館から抜け出すことに成功したのだった。
後は逃げる、だけ……
私は重傷で震える足に鞭を打ち、壁を伝って裏道を歩く。
『 ゴフっ…… 』
地面に着地する血は小さな水溜まりを作り。
こんな、時に……
ぼやけた視界も暗くなり始めて右目からは血が頬を伝い、赤黒い景色が支配する
そんなところに足音が一つ。
拙い、見つかる…
思った頃には時すでに遅く、意志に反してその場に倒れ込んでしまう。
「 おや? " 偶然 " だねえ、怪盗さん 」
其の姿が見えた時、思わず笑ってしまいそうになった。
『 こ、こまで…が、作戦…通りだっ、た訳か………包、帯くん… 』
名前ではなく、あだ名で呼ばれた彼は満足そうに笑んで私を見下ろす。
「 包帯くん、か
中々善い渾名を付けるじゃあないか。
却説、小豆沢Aさん
___予告通り貴方を盗みに参りました 」
こんな状態でもぶっ飛んだ台詞を吐く包帯くんが可笑しくて。
『 はは、っ…君の方、がよっぽど…怪盗に向い、てるじゃ……ない、か 』
包帯まみれの其の手で抱き抱えられても、
意識を失った私は彼に身を委ねる他なかった。
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オズ - dGAzIwL2bmd18Yxさん» うあ…嬉しすぎるお言葉……ありがとうございます!!!頑張りますね!!! (2022年7月13日 20時) (レス) id: 1d6204a61d (このIDを非表示/違反報告)
dGAzIwL2bmd18Yx(プロフ) - もう、やべぇ、、(文才が天才過ぎて語彙力が4にました)面白過ぎます‼︎続編の更新も楽しみに待ってます (2022年7月11日 1時) (レス) @page50 id: d1624c287f (このIDを非表示/違反報告)
オズ - *深音*(みおと)さん» ああああありがとうございます!!最終回まで頑張って書きますね!! (2021年8月18日 12時) (レス) id: bf4e4a8e9b (このIDを非表示/違反報告)
*深音*(みおと)(プロフ) - すっっごい好きです…(語彙力皆無)更新頑張ってください! (2021年8月18日 0時) (レス) id: 2e41216803 (このIDを非表示/違反報告)
オズ - テレタビーズ教さん» ありがとうございます!!これからも良いものが書けるように頑張ります!! (2021年8月4日 17時) (レス) id: 886aed0c44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オズ | 作成日時:2021年7月25日 18時