大事なお話 ページ24
「…あのさ、弔さん、荼毘さん、トガちゃん」
きっと答えをくれると思った。だから、純粋に私は聞くことにした。
「連合加入の件、ちゃんと考えるから、その為に聞かせて欲しいことがあって」
「なんだよ」
「私の考えを、気持ちを整理する為に教えて欲しいの。どうして敵になったの？」
「……」
私がそう聞くと、荼毘さんとトガちゃんは少し顔を伏せる。センシティブな質問をした自覚はある。
「ごめん、答えたくないならそう言って。」
「ヒーローって奴らはどうしようもないクズ共だ」
そう言葉を発したのは弔さんだった。
「必ず助けるとか言って、救けられなかった人間なんていないかのように笑ってる、だが実際はどうだ？救われなかった人間は存在する」
「じゃあ救われなかった人間はどうすればいい？この絶望は？怒りは？どこに向けたらいい」
弔さんは真剣な顔で話し続けた。
「俺達はヒーローと決して相容れない」
「どうして敵になったのか聞いたよな。教えてやるよ。それは今のこのイカれた世界をぶっ壊す為だ。」
弔さんは自分の手をグッと握り込む。
ああ、そうか。
私は彼らと相容れない側の人間なのだろうと悟った。
私がこの世界をイカれていると思っていない時点で、彼らの思考には追いつけないのだと。
それと同時に、彼らはヒーローがいるからヴィランと呼ばれただけで、彼らがヴィランたる所以はヒーローにあるのだと理解した。
難しい、どちらにつくなんて、私には決められない。
「ありがとう、とてもよく分かった。考えてみる」
「……A」
俯きそう答えた私の名前を荼毘さんが呼んだ。
「お前、今日もう帰れ」
荼毘さんが何を考えているのかは、よく分からないな。なんて思いながら、頷いた。
帰らせてくれる時に帰らないと、ここから出られなくなりそうだからだ。
「リーダー、ちょっと出る」
「……送り狼になるなよ」
「こいつ相手にならねぇよ」
こちらが珍しく真剣に考えていると言うのに、後ろからそんな声が聞こえて、少しムカッとしたのは秘密にしたいと思う。
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ナナシ - すっごく面白かったです！読み切ってしまったのが残念に思うくらいです。心地よいドキドキ感が味わえて楽しかったです。絶対また読みます！ (2023年4月4日 2時) (
レス) @page40 id: d5c4f7e5a3 (このIDを非表示/違反報告)
素因数分解(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉明るくクスッと笑えるあなたの作品が大好きで毎日更新を心待ちにしていました。それがなくなると思うと少し寂しいです。凄く面白い作品です。お疲れ様でした🍵 (2023年3月26日 15時) (レス) @page39 id: 2687d60546 (このIDを非表示/違反報告)
はないかだ(プロフ) - タイトル回収！！しかもヒロアカアニメと同じタイミングとか！！！図ってましたか？？ (2023年3月18日 22時) (レス) @page32 id: d9e7127375 (このIDを非表示/違反報告)
春風いちご(プロフ) - トガちゃん可愛いっ！！尊すぎるぅ… (2023年2月26日 15時) (レス) @page22 id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - コメント失礼します。先ほどTwitterをフォローさせていただきました。もしよろしければフォロバよろしくお願いします。この作品とても楽しみに読ませていただいてます。頑張ってください！ (2023年2月13日 14時) (レス) @page12 id: fd40c107eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燈 | 作成日時：2023年1月28日 11時
