知らん人と二人きりはしんどいって話 ページ21
「ねぇお兄さんリップ塗っていい？」
じぃ…っとお兄さんの唇を見つめて言った。
「勝手にしろ、一々聞くな」
「え、聞かなくてもいいの？じゃあ」
リップの蓋を開けお兄さんに近づくと、お兄さんは、は？という顔をする
「すぐ塗るからじっとしててね」
「待て、なんで俺の口に塗ろうとするんだよ」
「勝手にしていいって言ったから？」
「……。」
嫌そうな顔が荼毘さんに少し似てる事にくすっと笑うと訝しげにこちらをじろりと見てくる。
「何でもないよ、連合ってみんな仲が良いんだなって。さ、口出してお兄さん」
「やめろ」
「気になるから塗りたいんだってば」
「…寄越せ」
観念したような顔でお兄さんがリップをよこせと言うので、どーぞ♡と渡した。
「あっ？！」
渡した瞬間のことだ。リップが灰のようにサラサラと崩れ消え去った。
「リップ…！リップーーー!!!!!」
「うるさい」
「あだっ」
私がその場に崩れ落ち、まるで大切な人が死んでしまった時のように叫ぶとげしっとお兄さんに蹴られた。
やれやれと立ち上がると、私を見つめてお兄さんが言った。
「お前、名前は」
「人に名前を聞くときはまず自分から名乗るのが筋だよね」
「うるさい早くしろ名乗れ」
「十倉Aです、お兄さんは？」
「死柄木弔」
「おっけ弔ちゃんね」
「殺すぞ」
「申し訳ありませんでした弔さんでいかがでしょうか」
本物の殺意を感じて即座に謝罪する。
弔さんてどっかで聞いた事あると思ったけど、あれか、リーダーってもしかしてこの人か、かっちゃん攫った人ってこの人だよね。
「もしかして弔さんって連合のリーダー？」
「荼毘はそう呼ぶな」
「なるほど、荼毘さんから“弔さんが私に会いたい”って言ってたって聞いてて、今日来るように言われてきたんだけど、丁度良かったのかな」
話を聞いてなるほど、と言う顔をすると急に嬉しそうな顔をしだす弔さん。
正直に言って突然喜びだすのは不気味である。何、私のファンだったとか？
「お前か、なるほど。」
「？」
「荼毘の奴、最近ここに来るとボロボロになってたり不機嫌になってることが多いわ最近よくドジってるわで愉快なんだよ」
「あ〜…」
私のせいだな、ごめんね荼毘さん
「なんでそんな間抜けになってるのか調べてみたらお前の個性のせいなんだってな」
「どこから漏れたのそれ」
「目撃した」
「私と荼毘さんの逢瀬が見られていたと…」
「で、お前さ」
弔さんが言葉を続けようとした所で扉の開く音がした。
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ナナシ - すっごく面白かったです！読み切ってしまったのが残念に思うくらいです。心地よいドキドキ感が味わえて楽しかったです。絶対また読みます！ (2023年4月4日 2時) (
レス) @page40 id: d5c4f7e5a3 (このIDを非表示/違反報告)
素因数分解(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉明るくクスッと笑えるあなたの作品が大好きで毎日更新を心待ちにしていました。それがなくなると思うと少し寂しいです。凄く面白い作品です。お疲れ様でした🍵 (2023年3月26日 15時) (レス) @page39 id: 2687d60546 (このIDを非表示/違反報告)
はないかだ(プロフ) - タイトル回収！！しかもヒロアカアニメと同じタイミングとか！！！図ってましたか？？ (2023年3月18日 22時) (レス) @page32 id: d9e7127375 (このIDを非表示/違反報告)
春風いちご(プロフ) - トガちゃん可愛いっ！！尊すぎるぅ… (2023年2月26日 15時) (レス) @page22 id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - コメント失礼します。先ほどTwitterをフォローさせていただきました。もしよろしければフォロバよろしくお願いします。この作品とても楽しみに読ませていただいてます。頑張ってください！ (2023年2月13日 14時) (レス) @page12 id: fd40c107eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燈 | 作成日時：2023年1月28日 11時
