城島さん(仮) ページ20
昨日も見たでっかい廃墟のお屋敷。その入り口扉をコンコンとノックして、中に声をかける。
「だーびーさーん！あーそーぼーーー！」
最大限の大声をあげてみたが、反応がない。
まさか、誰もいない？いや来いって言ったのむこうだし。そんなばなな。
どうしようかと悩んだ末に「おじゃましまぁす…」と言いながら中に入ることにした。なんかホラゲの導入みたいで嫌だな。
「昨日の部屋どこだっけな、てか暗くて見え辛いな、ドラ〇もんでも歌おうかな…」
スマホのライトを頼りにしながら、でれれれ でれれれ でれれれ でれれれ、と導入部分から音楽、歌：私で提供しつつ奥へ進む。
「でれれれれれれれれれれれれれれれれれんっどんどんっ」
「おい」
「ギャッ？！」
これから歌に入るというところで、突然背後から肩を叩かれ悲鳴をあげた。
そ〜…ッと振り返ると、髪はもさもさしてるし唇はがっさがさのお兄さんがいた。
最近知り合う人みんな顔立ち整ってんな、どうなってんだよ。
てか誰。
お互いに「誰だお前」という顔をして少しの間見つめ合う。
ふと意識が口元に向いた。
「あの、これどうぞ…新品なんで…」
唇があまりに痛そうなので薬用リップを差し出す。二本入り買っててよかった。
「は？てかお前誰」
私の差し出したリップは無視でそう問いかけられた。
リップ塗れよ！気になるわ！
「…荼毘さんに『明日ならぁ、リーダーが居るからぁん⤴︎︎、明日また来てもらえるぅ？』って言われた者です」
腰をくねくねさせながら言ったところ「きっしょ…」とつぶやく声がした。聞こえてんぞ唇ガサガサイケメンめ。
「まぁいいや、荼毘に聞けばなんか知ってんだろ」
こっち、と腕を引っ張られた。
やだ荼毘さんより優しく腕引いてくれるやんときめくわ……。
指一本だけ離しているのはわざとだろうか。お兄さんの個性なのかな。
「ここで待ってろ、もう直に来る」
「あ、はい。」
お兄さんはソファに座り私は立っている。おい客だぞ。
てかリップ塗りたい。お兄さんの唇を見つめながら手の中のリップを握り込みそう思った。
＿＿＿＿＿
ツイッターに｢トガです｣と｢簡潔に｣の間、6.5話にあたる話を投稿しました。
お時間ありましたら是非読んでみてください。
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ナナシ - すっごく面白かったです！読み切ってしまったのが残念に思うくらいです。心地よいドキドキ感が味わえて楽しかったです。絶対また読みます！ (2023年4月4日 2時) (
レス) @page40 id: d5c4f7e5a3 (このIDを非表示/違反報告)
素因数分解(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉明るくクスッと笑えるあなたの作品が大好きで毎日更新を心待ちにしていました。それがなくなると思うと少し寂しいです。凄く面白い作品です。お疲れ様でした🍵 (2023年3月26日 15時) (レス) @page39 id: 2687d60546 (このIDを非表示/違反報告)
はないかだ(プロフ) - タイトル回収！！しかもヒロアカアニメと同じタイミングとか！！！図ってましたか？？ (2023年3月18日 22時) (レス) @page32 id: d9e7127375 (このIDを非表示/違反報告)
春風いちご(プロフ) - トガちゃん可愛いっ！！尊すぎるぅ… (2023年2月26日 15時) (レス) @page22 id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - コメント失礼します。先ほどTwitterをフォローさせていただきました。もしよろしければフォロバよろしくお願いします。この作品とても楽しみに読ませていただいてます。頑張ってください！ (2023年2月13日 14時) (レス) @page12 id: fd40c107eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燈 | 作成日時：2023年1月28日 11時
