いや、帰らせて！？3【鬼滅の刃×ヒロアカ】

3話 ページ4

バーには既に公安警察の手が回っているらしい。


酒は飲めないので、ジュースを頼む。


まぁ、此処はバーなので誰もジュースを頼んでいるとは思わないだろう。


ターゲットが来るまで約1時間程。

其れ迄に何回も流れを確認する。



身体を開かれるのは初めてではないが如何せん久しぶりなのだ。

恐怖はないと言ったら嘘になる。

だが、三ノ宮の教育は生半可ではないのだ。

色の訓練は基礎中の基礎。

初経が来る前から訓練を受けさせられていた。

寝床で男を喜ばす方法など山程知っている。



深呼吸をして、彼女は今回演じる偽名、『水梨 春香』に成りきった。



ターゲットの名前は『色香 宋史』。

個性は色香。

自分の付近の水で相手を気持ち良くさせる個性だ。

もちろん彼の汗でも可能だ。

交渉時にも使い勝手がいいらしく、相手の気分を高揚させ、思考を撹乱。

その間に契約書を書かせることも可能だそうだ。

同性にも効果は抜群。

まぁ、厄介な個性で、職にはぴったりだ。



Aの前では塵と化すのだが。

様々な対薬訓練を受けて来た彼女にとって、薬や色香も例外では無かった。

効いているフリをして体温を上げることも、頰を上気、汗を流すことも、呂律が回らないように話す事も。

行為の最中に意識を飛ばさないことすら。

全てお茶の子さいさいである。


彼女にとっての問題は、一夜だけの女にならないこと。

仕事帰りにでも会えればホテルに行き、意識を飛ばさせた後に、仕事用の携帯に公安から差し出されたウイルス入りのUSBを差し込み、データを移せば一先ず任務完了。


後は彼が仕事で使ってくれればアクセスされて情報が流れ出てくるらしい。

説明を受けても文明の利器については何一つ理解できなかった為、よく分からないのが本音だが、取り敢えずはUSBメモリを差し込めばいいらしい。


今日はその段階まではいかないから、相手を捕まえるところからだ。


座っているのはカウンターの端。入り口から1番遠いいところが落ち込んでいるように魅せられる。




目を潤ませながら肘をついてぼーっするよう見せかける。


消して気配察知は怠らない。




(ーーー来る。 5.4.3.2.1.0)









ーーー今宵、1週間命懸けの任務が始まる。





普段と違うのは、殺す権利を持つのが鬼ではなく、人間だということだ。









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色香 宋史 いろか そうし

水梨 春香 みずなし はるか

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