29話 ページ30
「…別に、今回の事を忘れろ、なんて言わないし、むしろ覚えていて欲しいよ。
そして二度と同じ過ちを起こさない様に、これからも精進して欲しい。
でもね、気負わなくていいんだよ。
私は生きているし。
緑谷君にも言ったけれど、次に活かして、ちゃんと誰かを、1人でも多くの人を守って欲しいんだ。
君は立派な強いヒーローになるのだろう。
この経験を糧に更に強く立派になっておくれ。
…それでもし、私が困っていたら、動けなくなっていたら、助けておくれ。
情けなく、前に進めなくなっていたら、背中を押しておくれ。
君の檄は効きそうだなぁ。
頼めるかい？」
そう言ってAは笑った。
爆豪は目元を拭う。
「ンなもん幾らでもやってやるよ。
情けねぇお前なんてオレがブッ殺してやる。
てめぇが腰抜かすぐれぇ強くなってやるよ。」
そう言った爆豪の瞳は何時もの強い光を放つ。
「…赤い瞳は好きでは無いけれど、君の瞳は好きだなぁ。
とても素敵な輝きを放っているよ。」
そう言って微笑むA。
「…相変わらずクソビッチだな。
…部屋まで来い。」
そう言ってAの手首を掴み立ち上がる。
「！…いや、寮に入るのはちょっと事情があってね。」
慌てて引き止めるA。
ホークスが上手く上には言っておいてくれるとはいえ、現在進行形で公安の監視下に置かれているのだ。
無闇矢鱈と接触するのは控えたい。
況してや寮に入るなど尚更だ。
「あぁ！？…なんか事情でもあんのか。
…ちょっと此処で待ってろ。」
そう言って爆豪は寮へと入って行く。
残されたAは大人しく寮前で待っていた。
少しして爆豪が戻って来る。
「首見せろ。腫れてんだろ。」
そう言ってテキパキと救急用具を出して行く爆豪。
Aは着物の襟を緩める。
爆豪がAの首元を見るとくっきりとついた指の跡。
戦闘中首元を打たれた挙句、あまりに強く押さえた為か、内出血して青黒く腫れ上がっている。
「…本当に、悪かった。」
そう言いながら痛み止めを塗り、首元にガーゼを当てて首元に包帯を巻いていく。
「…ふふっ。君は案外手先が器用だねぇ。
戦闘中も細かい動きが正確だし。
いや、良いと思うよ。」
そう言いながらくすぐったそうにするA。
「うるせぇ。…ん、出来た。」
「ありがとう。
じゃあ明日も学校があるだろうし、よく休みなさい。お休み。」
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りんご - 面白いですね！更新頑張ってください！ (2020年4月22日 13時) (
レス) id: 4d3c7a1e9c (このIDを非表示/違反報告)
北窓(プロフ) - 桜さん» 教えて頂き有難うございます！頑張ります！ (2020年4月21日 23時) (レス) id: 5a0c901b45 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - コメントはログインとかしてなくてもできますよ。コメントした人の最後の方にあるレスってやつを押して、感想の所に文章を打ち込んで投稿を押したらできます。説明が分かりにくかったらすみません...更新頑張ってください！！！ (2020年4月21日 18時) (レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
卵かけご飯4280 - 面白すぎます。もう神ですね。小説の至高の領域に入ってます。がんばってください (2020年4月21日 8時) (レス) id: 0b8a9b50ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - この作品めちゃめちゃ好きです！ハンターハンターっぽいとこもあってそこも個人的に好きです笑笑更新頑張ってください！！ (2020年4月18日 1時) (レス) id: 52068ce325 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：北窓 | 作成日時：2020年4月1日 21時
