43話 ページ44
No side
ふと、目が醒める。
頭がグラグラする感覚に、あぁ、気絶したのか、何て考える。
妙に柔らかい感覚はベッドに寝かされていたから。
(ーーーこの匂いは…。)
ふわりと香る甘い匂い。
足音が聞こえる。
「やっぱり君は何だかんだ言いながら良い子だね、爆豪君。
運んでベッドに寝かせてくれて有難うね。」
部屋を開けた爆豪の目を見ながらAは言う。
爆豪は少し驚いた顔をした後、Aに近付いてコップに入ったお茶を渡す。
その後ベッドに腰掛ける。
「布団を貸して貰ってこんなこと言うのも何だが、年頃の男女が同じ布団に座っていると言うのは如何なものか。
して、ここに連れてきたのには理由があるのだろう。
君は何を聞きたいんだい。」
茶化しながらもその目は真っ直ぐに爆豪を向いていた。
「…聞き手ェことは山程有る。
お前は何でそんなに強ぇんだ。
俺だってずっと努力して来た。
自分でも自惚れちゃいねぇが才能だって有ると思う。
それでもお前には全くもって手が届かねぇ。
お前は、何でそんなに強くなった。
ヒーローになりてぇわけでもねぇんだろ。
強くなって何がしてぇ。
何がお前を強くしたんだ。」
赤い瞳が鋭く光る。
「…君と私の決定的に異なるものは意志の根底に根付くものだよ。
君は何故ヒーローになろうとしたのだい。
それに、ヒーローと言っても、強さだけに固執する必要はないだろう。
其れこそ、救助活動を主体としたり、仲間の補佐を主体としたりする事だって可能なはずだ。
わざわざヒーローに拘る必要も、強さに執着する必要も無いだろう。」
感情の読めない瞳が爆豪を目一杯に映す。
「俺は、オールマイトに憧れた。
オールマイトの勝つ姿に憧れたんだ。
勝つ為には強さが必要だろ。
自分の目標に近付くのには強さが必要なんだよ。」
間髪入れずに爆豪が答える。
「うん。良い考えだ。
憧れね。
とても良い理由だと思うよ。
君は真っ直ぐだね。
それに心も綺麗だ。
ーーーでも、それでは私を越すことは一生出来やしないよ。」
笑顔のままそう言い放つ。
「は？…何が、足りねぇんだ、俺には。」
余りに淡々と言い放つAに怒鳴る事すら忘れてしまった。
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ゆきな(プロフ) - はえ〜…好き (2020年3月19日 3時) (
レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 待って泣く泣くてかもう泣いちゃたー！｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年3月15日 3時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
つむぎ - 随分遅れましたが続編おめでとうございまーす！！！！！これからも更新頑張ってください、応援してます！ (2020年3月14日 9時) (レス) id: 9d8d7fe98a (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 帰れない！嘘、(゜゜;)とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年3月14日 0時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 最初から最後まで、読みました！とても面白かったです( ≧∀≦)ノ後ランキング5位おめでとうございます！(* ´ ▽ ` *)ﾉ (2020年3月13日 10時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：北窓 | 作成日時：2020年3月12日 23時
