隠し事は出来ません！【twst】

【番外】四月馬鹿1人目 ページ17

今日は4月1日。エイプリルフールだ。
昨年は学園長に、こっぴどい嘘を吐かれたので
やり返してやることにする。精々焦って欲しい。

用意は簡単だ。こんなのガキでも出来る。
縫いぐるみの狐に、魔法で短時間だけ生命を
与える。この魔法が苦手な子は操作系の魔法でも
いいだろう。取り敢えず生きている、もしくは
生きている様に見せる、ということが大事だ。

『ほーら、元気に跳び回っておくれ。』

ちょいちょい、と指を振れば、縫いぐるみは
立ち上がってそこらを歩き始めた。よし。
そして、いつも着ているスーツをまるで、着て
いた私だけが消えてしまったかの様に配置する。
これも上出来。

次は、適当な紙に、急に変な魔法をかけられた、
みたいなことを書く。走り書きで、尚且つ汚い
字だといい。わざと途中で終わらせて、書いて
いる途中で狐になったかの様にする。

そして仕上げだ。適当なカラスに、『学園長を
呼んで。緊急事態だって。』と頼めば完璧だ。
上手く騙されてくれるだろうか。さて、先生が
来る前に隠れなくては。クローゼットの中に
入って、ほんの隙間から外を覗く。うん、よく
見える。

学園長は引っかかってくれるだろうか。座学
と違い、魔法は得意なので、いくら学園長でも
数分は信じ込むとは思うのだが。

私の浅はかな考えを嘲笑うかのように、狐が
一鳴きした。

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